伝統行事・神事 祭り(渡御祭・本祭)

【北海道美瑛町の祭り】美瑛町・美瑛神社渡御祭(平成30年)

2018年7月25日に取材

昨日の「那智・美瑛火祭り」から、今日は美瑛神社の渡御祭です。那智・美瑛火祭りだけの取材だけではもったいないので、渡御祭も拝見致しました。美瑛神社の渡御は3年で町内を周りきるということです。以前にも来ているので、全ての渡御に付き合っています。だからどうしたったということもありませんが、渡御祭というのは、その町を隅々と練り歩くことなんで、町全体を見ることができます。毎年行っていると、町の変化を見ることが出来ます。

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【美瑛神社渡御祭】準備

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 神輿

境内にて、神輿渡御の準備が行われておりました。2年前の120週記念の際に、神輿を綺麗に直しており、担ぎ手は神輿会の人に参加していただき盛り上げています。

昨日盛り上がった「那智・美瑛火祭り」の大松明です。祭のあと感が満載です・・・

平成30年 美瑛町 美瑛神社 那智・美瑛火祭り あとの祭

【美瑛神社渡御祭】発興祭

発興祭(はつよさい)が行われます。拝殿に入り、神事が行われます。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 行列

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 発興祭01

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 発興祭02

氏子さん等と記念写真を撮影し、さて移動します。美瑛神社は渡御の距離も半端な距離ではないので、バスでの移動です。今年は、白金温泉方面の巡幸です。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 写真撮影

【美瑛神社渡御祭】御旅所にて

バスで移動の先には、白金太鼓が披露しておりまました。元気に太鼓が打ち鳴らさていました。今年は、先行に行われておりました。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 白金太鼓

【美瑛神社渡御祭】神事

バスから氏子、神職が降りて来て、地区の会館前に祭壇を組み、神事が行われます。
平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 御旅所01

宮司による祝詞奏上です。日差しが強いので、宮司には傘持ちが常時付いております。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 御旅所 祝詞

神事が終わると、御神楽奉納です。豊栄の舞・浦安の舞の交互に行われているようです。この地区では、豊栄の舞でした。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 御旅所 豊栄の舞

この流れで、十数か所ある御旅所を回ります。午後3時頃までバスでの移動して神事を行い、神楽奉納してすぐに別な場所に移動していきます。今年は、お神楽までの神事まで執り行われると早速次の場所に移動するという流れで各所の御旅所に御神輿が渡っていくのでした。

【美瑛神社渡御祭】美瑛親子獅子舞の披露

この祭りの取材の当初の目的は、この「美瑛親子獅子舞」です。とても移動距離のある渡御はバス移動無くして成立することは出来ないのですが、この獅子舞もこの祭りにしか披露されていないようです。この時しか見れない獅子舞です。
美瑛親子獅子舞のいわれは、下記の通りです。

1894(明治27)年に神楽村の未開地であった美瑛に入植した富山県氷見市久目地区の人々が伝承した獅子舞が起源といわれています。現在も毎年7月25日に行われる美瑛神社祭にて、その伝統の舞が披露されています。
獅子舞は、百足獅子と呼ばれる勇壮なものです。長い胴幕の中に4~5人ほどが入ります。面と烏帽子を身につけた天狗が1mくらいの木の槍をもち、先頭にたちます。楽器は太鼓が主体で、リズムに合わせて、天狗が獅子を討つ所作をします。
現在、演目は二つ(ひとつあし、やつあし)が継承されています。

北海道文化資源DBより引用

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 美瑛親子獅子舞

「美瑛町」という所は、昨夜の「那智・美瑛火祭り」の和歌山県・那智勝浦からの入植や、「美瑛親子獅子舞」は富山県氷見市久目地区の人が、美瑛に入植して故郷の伝承していた獅子舞を行なっていたということを考えれば、自分の故郷の郷土芸能などが神社のお祭りなどで披露されて、伝承されていたということになると思われます。全国的見ても、北海道くらい各地から入植して土地を耕して、一年に一度のお祭りなどに地区で披露されていた郷土芸能が見られるという土地なのです。この地で踏ん張って頑張られた入植した方々の苦労なしに、残された郷土芸能が物語っているように感じてしまいます。

【美瑛神社渡御祭】駅周辺での渡御

バスで移動しての渡御も夕刻頃になると、トラックから神輿を降ろして、町の中を練り歩きます。見るところ、いろいろな神輿の「●●組」というような名称の御神輿の担ぎ手の方々の半纏が見られました。地元の半纏も見られました。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 神輿渡御01

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 神輿渡御02

御神輿の担ぎ手も不足になっている現状の中、これからの祭り風景は「御神輿はトラックでの移動」というのが当たり前になり、担がれることなく御旅所を巡り、渡御祭終了という感じになると思われます。ちょっとした考えのもと、他からの受け入れを考えて行かなければならないと思います。現時点でも、担ぎ手募集しても集まらないところもよく聞きます。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 神輿渡御03

【美瑛神社渡御祭】町の中での御旅所

町の中での渡御は、徒歩での渡御です。バスで移動して行われるよりも、祭りらしさが出て来ますね。
威勢のいい掛け声が、近づいてくる光景はいいものです。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 御旅所

浦安の舞の奉納です。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 浦安の舞

美瑛親子獅子舞の奉納の後、獅子に頭を噛んでもらう人が集まって来ます。
なぜ、頭を噛んでもらうのでしょうか?

獅子舞は人の邪気を食べてくれるというのことのようです。悪魔払い・疫病退治の意味合いも含まれており、噛んでもらうと獅子からご利益をいただくということもあるようです。

平成30年 美瑛町 美瑛神社渡御祭 駅周辺 美瑛親子獅子舞

ちょっとした意味を知ると祭りが楽しくなります。祭りにはそのような、深い意味のあることが多く知ると面白いと思います。

【美瑛神社渡御祭】まとめ

最後の御旅所は、町役場前で、神事・神楽奉納・美瑛親子獅子舞の奉納が終わると、行列は神社に戻り、還御祭が行われて、渡御祭は終了となります。一連の渡御祭の流れを見ると、一年に一度、神様が神輿に乗り町の繁栄をご覧になりにいらっしゃるという意味合いを持っているので、そういう視点で見始めると感じ方も変わると思います。

北海道の有名な観光地で、このような祭りが行われているというのも知られていないのが現状だと思います。地元でも神社のお祭りに行くと同様の祭りが行われていると思われます。

美瑛神社は宵宮祭・渡御祭共に興味深い行事が行われております。足を運んで見て、祭りを身体で感じて見て欲しいと思います。
 
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