松前神楽 松前神楽連合保存会

【北海道の神楽】松前神楽北海道連合保存会合同公演 in 小樽(平成30年)

2018年11月10日(土)に取材

2年に一度行われる行事ですが、今年の合同公演は少し違います。国の重要無形民俗文化財に指定され初めての「合同公演」ということもあり、小樽市民センター(マリンホール)にての公演になりました。

この2年に一度行われるというのは、松前神楽保存会は4つの組織から構成されております。福島町・松前ブロック・函館ブロック・小樽ブロックの大きく4つです。各ブロックがそれぞれ事務局を2年ごとに担当いたします。事務局を持っている間にこの「合同公演」を行う仕組みになっておリます。2018年(平成30)では、小樽が事務局を担当しております。

「良き候北加伊道」はYoutubeチャンネルを作り、動画を配信しております。「良き候北加伊道映像部」としておおよそ500本以上の動画を配信しておりまして、松前神楽と北海道の郷土芸能や祈りの現場に、カメラが入ることを許可される所で配信致しております。
全ての神楽舞を動画にて配信しておりますので、このブログでもお楽しみいただければと思います。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「神楽初」

神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「幣帛舞」

幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「福田舞」

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「鈴上舞」

鈴上舞(すずあげまい)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「二羽散米舞」

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。

https://youtu.be/mdvl6qlVpAw

松前神楽北海道連合保存会合同公演「兵法舞」

兵法舞(へいほうまい)は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いで、最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞い祝います。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「千歳」

千歳(せんざい)は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「翁舞」

翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「三番叟」

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。

特別公演・越後大々神楽「太平楽盆舞」

越後太々神楽・太平楽盆舞(えちごだいだいかぐら・たいへいらくぼんまい)越後の国一の宮として古くから信仰を集め、新潟県唯一の大社として弥彦山に鎮座する彌彦神社には無形文化財である有名な太々神楽があります。今も尚この太々神楽は各地に散在し、各地方の祭典にも寄与され、1つ1つの御神楽にも越後の国らしい独特の情緒を表しています。太平楽(たいへいらく)は、天の岩戸の変の時、イシコリドメノミコトが天の金山の鉄で、やたの鏡を造り、その完成を祝ったという故実による。太平楽とは、広辞苑によれば、”すきほうだい” ”でたらめ” ”のんきにかまえる”などの意味があり、この舞も二枚の盆を左右の手にそれぞれ一枚ずつもって即与に曲芸的に舞ったと云われてます。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「四箇散米舞」

四箇散米舞(しかさごまい)、三品舞、三種舞とも云います。この舞はお目出度い時、新鳥居や新社務所が建てた等のその神社で、お目出度い時に行われる舞いです。これは、南北海道だけの風習であるので、道南で見られるのは貴重であります。最初が、折敷の手(四角のマスのようなものを持つ)で、次は、弓、剣、太刀に続き、最後は3人で太刀を組んで行われる舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「利生舞」

利生舞(りしょうまい)は、神々に初穂を献じ、 鎮魂を祈るため、 烏帽子、 狩衣、 扇、 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞(にわさごまい)の省略した舞いであると云われており、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「荒馬舞」

荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪く、これを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「八乙女舞」

八乙女舞(やおとめまい)は、女性二人が白衣、 緋袴、 千早を着し、 扇を持って舞います。 この舞は後代にいたって創造されたものと考えられます。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「神遊舞」

神遊舞(かんあそびまい)、天王遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「山神舞」

山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「十二の手獅子舞・御稜威舞」

十二の手獅子舞・御稜威舞(じゅうにのてししまい・みいつまい)、獅子の上(ししのじょう)とも云います。白扇と真剣を使用し、悪魔退散、天下泰平を表した舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「十二の手獅子舞・五方」

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「十二の手獅子舞・獅子の鈴上」

十二の手獅子舞・獅子の鈴上(じゅうにのてししまい・ししのすずあげ)獅子の手に鈴を持ち、鈴を振りつつ神の心をお慰めして、「神威あまねく点火に伊照り輝きけり」を祝う舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「十二の手獅子舞・面足獅子」

十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演「注連祓舞」

注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。

松前神楽北海道連合保存会合同公演 まとめ

大きなホールで松前神楽を見るというのはあまり機会が少ないので、この後見られるのは2年後かな?と思われます。まず、ようやく国の重要無形民俗文化財となり、これからどうするのかという方針を決めて行かなければと感じます。これからが大変だと思います。

また次の事務局は、福島町です。お楽しみに・・・

第四回「祭りと神楽」写真展

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