イベント関連 渡島地方の松前神楽

【北海道の神楽】松前町・松前神楽郷土芸能大公開(平成30年)

2018年4月29日(日)に取材

今年も松前町でゴールデンウィークで行われる郷土芸能と松前神楽が公開されるイベントを拝見してきました。
ゴールデンウィークに開花する北海道にとって、松前町にとっては一番観光客が来る時期だそうで、今後もこのような郷土芸能と松前神楽を公開したイベントが行われるということです。

何事にも、3月8日に国の重要無形民俗文化財に指定された「松前神楽」にとっては、大きなイベントの一発目であると思われますので、記念となる1年になりそうです。

門祓い行列から始まり、郷土芸能、松前神楽公開へという流れになっております。

清部松前神楽保存会による門祓い行列

松前城下から、門祓いを行いながら会場までを進みます。


 

松前町郷土芸能・月島奴振り

松前家登城奴のうち奥方奴であるといわれ立道具も藩政時代の物を保管伝承されています。町指定文化財・無形民俗文化財 昭和50年1月30日指定


 

松前町郷土芸能・松前祇園ばやし

松前祇園ばやしは、祭典に際しての山車巡行の音曲です。往時、山車は15~16台あり、それに付属した音曲は15曲あったと云われますが、現在残っているものは、高砂山(求福山)・宝丸・花山・将軍山の4基の山車につく12曲です。道指定文化財・無形民俗文化財 昭和43年1月18日指定


 

松前町郷土芸能・江良杵振舞

詳細な沿革は不明ですが、江良八幡神社の例大祭や慶事に際して町内を練り歩く慣わしで、手杵を用い、松前神楽の四箇散米舞の楽に合わせて「ヤレヤレ・ソラヤレ」の掛け声を掛けて舞います。町指定文化財・無形民俗文化財 昭和50年1月30日指定


 

国重要無形民俗文化財指定記念・松前神楽公開公演

ここから今回、国の重要無形民俗文化財に指定された「松前神楽」が披露されます。松前ブロック連合会による、神楽始(かぐらそめ)を含め、十九座が行われました。

神楽始(かぐらそめ)

神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。


 

幣帛舞(みてくらまい)

幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。


 

福田舞(ふくだまい)

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。


 

鈴上舞(すずあげまい)

鈴上舞(すずあげまい)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。


 

二羽散米舞(にわさごまい)

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。

荒馬舞(あらうままい)

荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪く、これを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。

山神舞(さんじんまい)

山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。

千歳舞(せんざいまい)

千歳(せんざい)は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。

鈴上舞(すずあげまい)砂原保存会

鈴上舞(すずあげまい)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。


 

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。

利生舞(りしょうまい)

利生舞(りしょうまい)は、神々に初穂を献じ、 鎮魂を祈るため、 烏帽子、 狩衣、 扇、 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞(にわさごまい)の省略した舞いであると云われており、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いです。

兵法舞(へいほうまい)

兵法舞(へいほうまい)は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いで、最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞い祝います。

福田舞(ふくだまい)尻岸内保存会

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。


 

神遊舞(かんあそびまい)

神遊舞(かんあそびまい)、天王遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。

二羽散米舞(にわさごまい)

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。

翁舞(おきなまい)

翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。

三番叟(さんばそう)

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。

注連祓舞(しめはらいまい)

注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。

十二の手獅子舞・五方〜面足獅子(じゅうにのてししまい・ごほう〜もくたりしし)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。

十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。

まとめ

今回も動画だけですが、身体で体験して欲しいと思います。映像だけでは体感できないことも多くありますので、実際に神社のお祭りに足を運んでみてください。
 
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