「良き候松前神楽」をご覧の皆様。明けましておめでとうございます。
今年も松前神楽の取材を行い、各箇所の神楽舞を紹介したいと思います。これからもよろしくお願いします。
毎年松前町・清部地区で行われている元日行事「門払い」である。
昨年は、招待神楽も行われないと知らされ。もうできないのかなと思いつつ、詳しく聞くと招待する家がないから行われなかったとわかり、少し安心した。こういう郷土芸能も今や担い手不足で存続が危ぶまれているのは、事実でありもう見られないと思うと残念でならなかった。
今年も、招待する家がないと言う事で、元日の門払い神事の後に神楽を奉納するということで、お邪魔させてもらう。今年は、元日から松前神楽を見る事ができた。
門払いも少し撮れればいいかなと、思っていたが到着した時には神社に帰ってきていたので、写真はない。神楽舞の練習の最終チェックをしていた。
最後の手ほどき 福田舞
↓「続きを読む」をクリックすると続きます。
清部松前神楽は、民間の人つまり神職がいない楽人で構成されている。青年団のような組織になっており、正月・例祭に門払いや神楽をとり行っている。お祭りの際に、神事や神楽を行う部門と、演芸を行う部門があって、清部の青年はどちらかを選んで参加していたらしい。舞人と楽人と別れているらしく、舞人は舞いと太鼓を覚えて、笛を担当するのは、吹く練習をさせて、音の出る者を笛を担当するスタイルであったようだ。
奉納された舞は、榊舞・福田舞・二羽散米舞・兵法舞・山神・三番叟・翁舞・神遊び舞・四ヵ散米舞・獅子舞・面足獅子(佐々良)の10座である。正月早々にこの10座を見れるのは嬉しい。清部地区の住人も神社に集まり、神楽が始まるのを待っている。子供が神楽舞をするということで集まってきた親族が、見に来ているのである。12月から練習を重ねてきて、発表する場がここだということで、緊張もするだろう。
清部地区は、神職がいない。例祭の時には、祝詞を上げに神職がやってくる。今日(元日)では、神事が行われず、神楽が行われた。神事は門払いのみである。
最初に行われる舞いは、榊舞である。他の所と異なるのは、祝詞らしきものを上げ、祝詞舞が行われるのだ。左手に、榊と鈴を持った人がいて(下写真奥にいる子供)祝詞が上がり舞いが終わるまでいる。
祝詞を読む
榊舞
福田舞
昨年は、清部の松前神楽は見ていなかったので、今回あらためて見ると二羽散米舞は、渡島・松前・福島とは異なる舞い方である。シャッターチャンスが異なるので少しためらった。
二羽散米舞
兵法舞
山神
三番叟も、渡島・松前・福島とは異なる舞い方のようだ。
三番叟
翁舞
神遊舞
普段みれない舞いであるが、清部では通常行われる舞いである。でも1年に正月と例祭しか見れない。4人舞いでもやり慣れている。
四ヵ散米舞
獅子舞
面足獅子(佐々良)
全体を通してみると、普段見て見ている渡島・松前・福島の形式とは異なる舞い方も見られた。違いはあるが、松前神楽には変わりないのである。
元日から、松前神楽を見れるのはいい年にしたいものだ。来年は、招待神楽があるように願いたい。