11月5日(土)小樽市マリンホールにて行われた、松前神楽合同公演を取材させてもらいました。今回は、私の写真の展示もあり開始前から会場入りさせてもらい、写真の展示をしました。会場の写真は都合上、撮影できませんでした。いろいろな人に挨拶や、声を掛けていると正直そういう時間があまりなかったです。
松前神楽松前ブロック保存会、福島町松前神楽保存会、松前神楽函館連合保存会、松前神楽小樽ブロック保存会の所属した「松前神楽北海道連合保存会」が主催になり行われました。
座数も21座もあり、十二の手獅子舞も全て行われました。今年の最後の神楽であるだけ、見ごたえのある内容であります。獅子舞のフルセットは、今年で2度目であります。
演舞者写真
会場正面には、神籬(ひもろぎ)
会場になり、観客の皆様が来場されました。約400人の規模で入場料500円にも関わらず、来場者がこれだけいらっしゃるのは素晴らしいです。
会場
挨拶する本間会長
今回の撮影は、舞台袖から撮影しました。会場に付いていると邪魔になると感じ、舞台袖に入り会場と行ったり来たりとしようと思っていました。総神拝、神楽始(かぐらそめ)と続き、神楽舞いに移ります。
出演者で総神拝
神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。
松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。楽奏は、小樽ブロック・後志神楽会であります。
上2枚 神楽始(かぐらそめ)
今回行われた神楽舞いは、幣帛舞(みてぐらまい)、福田舞(ふくだまい)、鈴上舞(すずあげまい)、利生舞(りしょうまい)、山神舞(さんじんまい)、神遊舞(かみあそびまい)、千歳(せんざい)、翁舞(おきなまい)、三番叟(さんばそう)、二羽散米舞(にわさごまい)、兵法舞(へいほうまい)、福田舞(ふくだまい)、★太平楽盆舞(たいへいらくぼんまい)、山神舞(さんじんまい)、三番叟(さんばそう)、荒馬舞(あらうままい)、四箇散米舞(しかさごまい)、注連祓舞(しめはらいまい)、十二の手獅子舞・御稜威舞(じゅうにのてししまい・みいつまい)、獅子舞・五方(ししまい・ごほう)、獅子舞・鈴上(ししまい・すずあげ)・面足獅子(もたりしし)通称・佐々良(ささら)であります。途中、数座ほど同じ舞が行われています。★太平楽盆舞は、松前神楽ではなく、越後太々神楽(えちごだいだいかぐら)であり特別に行われました。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いであります。(小樽ブロック・後志神楽会であります。)
幣帛舞(みてくらまい)小樽ブロック・後志神楽会
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いであります。(小樽ブロック・小平町鬼鹿保存会)
福田舞(ふくだまい)小樽ブロック・小平町鬼鹿保存会
鈴上げ(すずあげ)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いであります。今回は、4人で舞われました。(小樽ブロック・瀬棚保存会)
鈴上げ(すずあげ)小樽ブロック・瀬棚保存会
利生舞(りしょうまい)は、神々に初穂を献じ、 鎮魂を祈るため、 烏帽子、 狩衣、 扇、 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞(にわさごまい)の省略した舞いであると云われていまして、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いである。(小樽ブロック・後志神楽会)
利生舞(りしょうまい)小樽ブロック・後志神楽会
山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものであります。(福島町松前神楽保存会)
山神(さんじん)舞 福島町松前神楽保存会
神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。(小樽ブロック・神恵内保存会)
神遊舞(かんあそびまい)小樽ブロック・神恵内保存会
ここで神遊舞を舞った中学生にインタビューが行われました。
神恵内保存会・インタビュー
休憩が入り、次は、函館連合保存会による「千歳(せんざい)」であります。
千歳(せんざい)は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いであります。(松前神楽函館連合保存会)
千歳(せんざい)松前神楽函館連合保存会
舞台袖から撮影しておりましたので、他の保存会の皆様も熱心に他の保存会の舞を見ていました。こういう機会は無いに等しいので、熱心にご覧になっていました。
他の保存会の舞いを袖から見る人達
翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いであります。(小樽ブロック・小樽保存会)
翁舞(おきなまい)小樽ブロック・小樽保存会
三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いであります。(松前神楽函館連合保存会)
三番叟(さんばそう)松前神楽函館連合保存会
二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いであります。(小樽ブロック・後志神楽会)
二羽散米舞(にわさごまい)小樽ブロック・後志神楽会
兵法舞(へいほうまい)は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いです。最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞います。北海道の歴史を表現した舞いであります。(小樽ブロック・瀬棚保存会)
兵法舞(へいほうまい)小樽ブロック・瀬棚保存会
ここで半分であります。
これだけの保存会の演舞をみることは、あまり無いので新鮮な感じで見ていました。
休憩の後、福島町松前神楽保存会による「福田舞(ふくだまい)」が行われました。
後半は、次回に公開します。