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渡島地方の松前神楽

鹿部町 鹿部稲荷神社本祭 2012

投稿日:2012年7月9日 更新日:

鹿部稲荷神社例祭の本祭の松前神楽の取材です。
この連日、雨にあたる事も無く無事に本祭を迎えられました。本祭の松前神楽は、宵宮祭よりも多く奏上されます。他の土地柄もあり、宵宮祭が神楽の座数が多かったりします。
さて、鹿部稲荷神社の本祭であります。
祭礼が終わると、松前神楽の奏上であります。鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)から行われます。
鎮釜湯立式とは、鎮火祭という火を鎮める神事であります。釜でお湯を焚きホムスビノ神とミズハノメノ神をお祭りし、火(霊)を祓い清め、釜に向かい神歌を奏で鎮釜・鎮火を行います。また、湯笹で四方を拝し祓い清め除災招福を修します。また、この笹湯は祓われて外症状を治し、飲んで内症状を良くすると言われております。作物・漁獲量の吉凶を占う神事であり、松前神楽三十三座の中に十二座入っている神事です。
松前神楽 鎮釜湯立式 釜清め
鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき) 釜清め
松前神楽 鎮釜湯立式 釜清め
鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき) 釜清め
松前神楽 鎮釜湯立式 湯立
鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき) 湯立て
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行われた神楽舞は、榊舞(さかきまい)、福田舞(ふくだまい)、二羽散米舞(にわさごまい)、千歳舞(せんざいまい)、翁舞(おきなまい)、三番叟(さんばそう)、荒馬舞(あらうままい)、神遊舞(かみあそびまい)、山神舞(さんじんまい)、注連祓舞(しめはらいまい)、十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)、面足獅子(もくたりしし)の十一座が行われました。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
松前神楽 榊舞
松前神楽 榊舞
榊舞(さかきまい)上2枚
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いであります。
松前神楽 福田舞
福田舞(ふくだまい)
二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
松前神楽 二羽散米舞
二羽散米舞(にわさごまい)
千歳(せんざい)は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。
松前神楽 千歳舞
千歳舞(せんざいまい)
翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。
松前神楽 翁舞
三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
松前神楽 三番叟
三番叟(さんばそう)
荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪くこれを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。
松前神楽 荒馬舞
荒馬舞(あらうままい)
神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
松前神楽 神遊舞
神遊舞(かんあそびまい)
山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。
松前神楽 山神舞
山神舞(さんじんまい)
注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いであります。
松前神楽 注連祓舞
注連祓舞(しめはらいまい)
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
松前神楽 十二の手獅子舞・五方
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
コミカルな楽に変わり猿田彦が登場し、暴猛な大獣獅子を手玉にとって遊び戯れ、平和な世の中を招く悪魔降伏の舞いであります。本来、相撲とったりはしません。
松前神楽 十二の手獅子舞・面足獅子
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もくたりしし)
鹿部稲荷神社と兼務社である本別稲荷神社は、松前神楽の座数を多く行われるということもあり毎年取材させてもらいます。系統的には、「松前風(福山風)」であり古来松前に伝わる形式と呼ばれています。
以前の記事にも掲載しておりますが、系統・形式があります。他には、函館・福島町・小樽とあります。あらためて、形式の記事を記そうと思います。
神楽を見て歩く旅をしていると、違いを感じる事ができます。神職の人柄や性格を見つめる事により、神楽の舞に対する姿勢も出てくるものです。一生懸命に行っている人や、ふざける人、惰性で行っている人、様々であります。「厳格な神楽である」と記している以上、厳格である松前神楽を見られる機会が少ないのは、非常に残念に感じられます。神楽とは?、歴史とは?、伝統とは?という観点から見ると、疑問を抱きます。
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