松前町の松前神楽 松前神楽松前ブロック連合保存会 渡島地方の松前神楽

平成28年 松前町・松前神社例大祭(宵宮祭)

2016年8月5日

昨日の大澤神社の取材から、本日は松前神社例大祭の取材になります。
今日が「日本の祭り」のテレビの収録があり、本番ということになります。至る所には、「日本の祭り」のポスターが掲げられ「松前神社例大祭」を盛り上げるようになっております。

ここは「門祓い」→「宵宮祭」と流れます。そして宵宮祭は、別名「あじさい祭」として、拝殿外で松前神楽が行われると言うイベントになって、ビアガーデン形式になります。飲みながら神楽を見るという形になりますが・・・まぁ、盛大に神楽が披露されるようです。
私のいままでの取材の経歴であると、この日は姥神大神宮へ行っておりました。渡御をしていたのを知りました。
旗持ちの人は

松前神社 宵宮祭 行列 平成28年
渡御の準備

松前神社 宵宮祭 行列 神社前 平成28年
行列の準備

門祓行列の出発

行列が出発し、町を練り歩きます。お獅子さんは人気で、玄関まで迎えてくれた人の頭を噛んで、祓い清めます。

松前神社 宵宮祭 行列 獅子 平成28年
お獅子

松前神社 宵宮祭 行列 獅子 平成28年
お獅子

御散供(おさご)を持って行列を迎えます。道南で御散供(おさご)聴くと「おさんご」という風に聞こえます。
「おさんご」ではなく、正式には「御散供(おさご)」だそうです。

神や仏に参ったとき供える米,または祓(はらい)や清めの目的でまき散らす米。サンゴ(散供),オサゴ(御散供),ウチマキ(打撒)などといい,白紙に米を包んで一方をひねったものをオヒネリともいうから,もとは神への供え物である米を意味したが,米の霊力によって悪魔や悪霊を祓うためにまき散らすこととなった。たとえば,《延喜式》記載の大殿祭(おおとのほがい)の祝詞の注に,出産にあたって産屋に米をまき散らし,米の霊力によって産屋を清めたことがみえている。

松前神社 宵宮祭 行列 平成28年
御散供(おさご)

玄関を祓い清めます。門祓い神事は町内を練り歩き、各家々を祓い清める行事です。その行列の先頭には、猿田彦命です。神様の道先案内人であるので、鼻高々なのです。

松前神社 宵宮祭 行列 平成28年
玄関先を祓い清める

松前神社 宵宮祭 行列 平成28年
行列は行く

松前神社宵宮祭

午前中は、この門祓いが行われます。夕方から宵宮祭が行われます。
宵宮祭の時に通常拝殿で行われる松前神楽が、拝殿の外に会場が出来てそこで披露されます。「あじさい祭り」と称して神楽を見ながらのビアガーデンというスタイルになっています。

今回は、神事の様子も少しだけお見せします。
祓詞(はらいことば)が行われ、大麻(おおぬさ)で、皆様を祓い清めます。

大麻、大幣(おおぬさ)は、神道の祭祀において修祓に使う道具の一つで、榊の枝または白木の棒の先に紙垂(しで)または麻苧をつけたものである。白木の棒で作ったものは祓串(はらえぐし)とも言う。
「大麻」(おおぬさ)という言葉は、本来は「ぬさ」の美称である。「ぬさ」とは神への供え物や、罪を祓うために使用する物のことであり、主として麻や木綿(ゆう)、後には布帛や紙が使われていた。そこから、神事に使う布帛や紙のことを大麻と呼ぶようになった。

松前神社 宵宮祭 平成28年
大麻で祓い清める

御扉(みとびら)を開けます。
この開ける際に「ギィー」と鳴るのは、わざとそのように設計されているようです。なぜならば、そちらの方が神秘的というか、神様が現れになる様を表現しているというのでしょうか。この際道南では、松前神楽の「門祓いの曲」が奏上されます。
松前神楽は、祭式に取り込まつつ行われる神楽なのです。

松前神社 宵宮祭 神事 平成28年
御扉(みとびら)開閉前
 

松前神楽奉納

松前神楽は、三十三座(演目)あり、鎮釜湯立の神事十二座と舞楽二十一座で構成されています。
舞楽に入る前に行われる「神楽始(かぐらそめ)」が行われます。現在、神楽始(かぐらそめ)から行われる神社は少ないようにも感じられますが、宵宮祭で行われると神楽の神秘性を感じます。

神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。
松前神社 宵宮祭 松前神楽 神楽初 平成28年
神楽始(かぐらそめ)

ここから舞楽に入ります。
拝殿内で行われた神楽舞は、幣帛舞(みてぐらまい)、福田舞(ふくだまい)の二座です。

幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。

松前神社 宵宮祭 松前神楽 榊舞 平成28年
幣帛舞(みてくらまい)

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。

松前神社 宵宮祭 松前神楽 福田舞 平成28年
福田舞(ふくだまい)

ここから神楽奏上は、外で行われました。「あじさい祭り」ということで、拝殿前に特設会場を作りまして、多くの人に披露するように行われました。
行われた神楽舞は、二羽散米舞(にわさごまい)、三番叟(さんばそう)、十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)の三座行われました。

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。

松前神社 宵宮祭 松前神楽 二羽散米舞 平成28年
二羽散米舞(にわさごまい)

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。

松前神社 宵宮祭 松前神楽 三番叟 平成28年
三番叟(さんばそう)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。

松前神社 宵宮祭 松前神楽 獅子舞 平成28年
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

お獅子さんを怖がる子供の泣き顔を見る光景は、なんと微笑ましいと思うのは大人の勝手な理屈ですよね。子供にとっては、心底怖いのですが・・いい光景ですね(笑)

松前神社 宵宮祭 松前神楽 獅子舞 平成28年
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

松前神社 宵宮祭 松前神楽 獅子舞 平成28年
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

テレビの収録もあるので、混雑していた「あじさい祭り」でした。
明日は、本祭です。松前神楽を多く見ることができるのは、基本的に「本祭」なのです。

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