引き続き、2010年7月3日(土) 小平町・鬼鹿厳島神社神輿渡御祭の模様です。
午前中は、トラック・バスでの門祓いを行いながら、各所に止まり祈祷と神楽奉納をして回りました。
午後からは、鬼鹿の中心街を渡御します。ここから、四箇散米行列(しかさごぎょうれつ)と奴行列と、神輿はトラックから下ろされ、担ぎで渡御します。
ここは前回でも書いたように、鰊漁で栄えた町であるので、労働唄としての沖揚げ音頭も当然のように唄われている土地であります。神輿渡御の掛け声が、この沖揚げ音頭と言うところも珍しいと思われます。町の風土と歴史が物語る、鬼鹿らしい雰囲気が出ていて昨年は大変気に入りました。写真と動画をお楽しみください。
沖揚げ音頭を唄いながら渡御
町の中の渡御では、神楽が行われる場所は2カ所で、鬼鹿小学校と厳島神社鳥居前でした。昨年まで、厳島神社鳥居前では行われていなかったようですが、今年から行われるようにしたということでした。鬼鹿小学校前では、観客も多く、神楽を見てもらえるいい場所であると思われました。
行われた神楽舞は、福田舞(ふくだまい)、荒馬舞(あらうままい)、鈴上舞(すずあげまい)、十二の手獅子舞・佐々良(じゅうにのてししまい・ささら)の4座でした。
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いであります。
福田舞(ふくだまい)
荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪くこれを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したといういわれがあります。
荒馬舞(あらうままい)
鈴上舞(すずあげまい)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云う。
天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いである。
鈴上舞(すずあげまい)
十二の手獅子舞・佐々良(じゅうにのてししまい・ささら)は、コミカルな楽で猿田彦が登場し、暴猛な大獣獅子を手玉にとって遊び戯れ、平和な世の中を招く悪魔降伏の舞いです。
十二の手獅子舞・佐々良(じゅうにのてししまい・ささら)
鬼鹿小学校を出て、行列は鬼鹿厳島神社に向かい進んで行きます。途中に、近所の婦人会や店先でビールや飲み物とお菓子、おつまみ等を用意して行列の人達の疲れを癒してくれます。町の雰囲気を見るにはこのような光景を見ると、祭りって助け合いだなと思わずにはいられません。
小休憩の光景
渡御も神社前の鳥居まで来ると、神楽奉納があり披露されました。鳥居前では人も多く出ていて、賑わいを見せてくれました。
鈴上舞(すずあげまい)
荒馬舞(あらうままい)
福田舞(ふくだまい)
上2枚 十二の手獅子舞・佐々良(じゅうにのてししまい・ささら)
神楽奉納が終わると、奴行列が神社鳥居まで掛け声掛けながらゆっくりと入ります。
後から聞くとこの奴は、松前の月島奴の流れを組むものであるようである。
上3枚 奴行列
奴行列が鳥居に入ると、最後は神輿が神社に入る際は、一気に神社の階段を駆け上らなければならないという風習があり、その前に散々と神輿はジグザグに動いた後に一気に駆け上がります。
もちろん沖揚げ音頭を唄いながらジグザグと動いています。
動きを表現してみました
上4枚 神輿の駆け上り
今年は、最後まで見ることができました。北限の松前神楽は、福島町と深く関わりのあることを再認識しました。沖揚げ音頭と共に神輿渡御は、見ていてもいいなぁと個人的に好きでした。
鬼鹿の皆様には、お世話になりました。また行きたいと思います。