いよいよ、昨年の平成26年の取材日誌をスタートします。
毎年元日は、松前町清部まで足を運んでいます。
人口減少で「もう正月ぐらいでしか人が揃わない」と言われており、正月にはお邪魔して神楽を見させてもらっています。
雪は少ないのですが、少々気温が寒いですね。雨が降ろうと、風が吹こうとも行なうのが「門祓い」です。
お世話になっている方が、門祓いにも神楽奉納にも参加していない・・・体調が思わしくないようです。
いつもながら、毎年元日に行なわれる門祓いに参加する若い人、続いているなぁ〜と思います。
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門祓いから神社に戻ると、本殿にて神楽奏上です。神社まで足を運んでいらっしゃる地元の人が比較的に多いです。
本当にこの地に根付いた「神楽」であると感じられます。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。この舞いは、舞楽の系統を引いています。
兵法舞(へいほうまい)は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いです。最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞います。北海道の歴史を表現した舞いであります。
山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものであります。山伏神楽系統の神楽の様子がみられます。
三番叟舞(さんばそうまい)は、背が低く、顔が黒い精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
四箇散米舞(しかさごまい)は、神職が行う松前神楽では滅多に行われない舞いであり、神社の例祭(お祭り)でその年に神社の社務所新築とか、鳥居を新しくした等の目出たいことがあれば行われる舞いです。
清部の松前神楽では、毎年正月や例祭(お祭り)でも行われる神楽舞です。どうしても見たい方は、確実に行われる清部八幡神社の元日の神楽奏上の時に、見られることでしょう。
四箇散米舞(しかさごまい)、三品舞、三種舞とも云います。
この舞はお目出度い時、新鳥居や新社務所が建てた等のその神社で、お目出度い時に行われる舞いであります。これは、南北海道だけの風習であるので、道南で見られるのは貴重であります。
最初が、折敷の手(四角のマスのようなものを持つ)で、次は、弓、剣、太刀つ続き、最後は3人で太刀を組んで行われる舞いであります。
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
ここから、地元で行われた招待神楽です。今年は正月期間中、1件ということで、毎年少ないようです。
神社から、楽人は目的地の家まで歩いて向かいます。
本殿同様に神楽が行われます。本殿では行われなかった「翁舞(おきなまい)」が行われました。
翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。松前神楽の中で、一番舞いが難しいと云われている舞いです。
毎年ながら、年々と取材をこなし、元日から神楽を見ることができるのは「目出たい」と感じられます。
清部では、正月くらいでしか神楽を全て見せることができない状況なので、「招待神楽」も正月の期間のみに招待されれば行われるということなのです。地元・松前町で招待神楽の出来るのは、清部だけと思われるので、町内あげて招待していただければと思われます。意外とこの神楽の存在も知らない人も多いのではないでしょうか?
以前は、函館までこの神楽を呼んでくれた人もいるとかで、町内外からお声をおかけください。本当に招待神楽を呼んでみたい、と思われる方は、このブログにコメント下さい。関係者にお話致します。よろしくお願いします。