2013年9月15日に取材しました。
一日置いて、福島大神宮渡御祭二日目が行われる福島町に向かいました。月崎神社から出発しましたが、その時には間に合わず途中から拝見させてもらいました。天気は、時には小雨、時には大雨となり、行列の邪魔をしております。ほとんど人がずぶ濡れですが、巡行は進みます。
奴行列は「ホー、ホー」と云いながら片足を上げ、進みます。これもお祭りの前日まで練習されており、時間が無い中行われております。
「お祭り」の基本的な知識として、渡御祭は御霊が移された神輿から氏神様に、この一年の街の様子をご覧になっていただくための行事です。神輿が家の前を通る際には、外に出て神輿を見守ると云うのが習わしになっています。
このような知識も、お祭りを通して身に付いた知識です。本来であれば、自分の生まれ育った土地で得る知識だったに違いないのですが、このような世の中で、「神社=宗教」と見られてしまい、学校でも教えてくれない知識になりました。ただ賑やかだとか、ただ騒げるという理由が付いてまわり、「賑やか、騒げる、華やか=お祭り」となってしまい、お祭りの本来の意味を知るだけでも「お祭り」の見方が違うと感じられます。
雨の中、四箇散米行列が進みます。
午前最大の雨。降ること、降ること・・・行列は一時、雨宿りです。
雨の合間合間に、行列は進みます。
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お祭りの行列には、獅子が外に出て来た人の頭を噛んで厄を祓うという風習があります。北海道しか取材していないので定かではありません。
時には子供が泣いてしまいますが、それも祭りの当たり前の風景です。周りにいる大人は、笑顔なのです。
午前中の巡行が終わり、旅所にて神事が行われます。祝詞が読まれ、暫しの休憩に入ります。
午後からの巡行です。
神社行列の先頭を歩くのが、猿田彦です。よく「天狗」と間違われますが、猿田彦命なのです。神様の道案内の神様として崇められているのが、「猿田彦命」です。神様の道先案内をすることで、鼻が高いと云われておりその形相を面にしているようです。お祭りにとっては大切な役割とも云えるでしょう。
この福島町では、各家から出される御祝儀を脇にいる袖引きという役割の人が、家から御祝儀をもらい猿田彦に見せるという風習があります。御祝儀を取りに行く際に、袖引きはもらう家の方向に猿田彦を向きます。決して、御祝儀をもらってもお辞儀などしないで仁王立ちです。
北海道各地で、この猿田彦の権限が強い所がありまして、行列を遮る者あらば、脇に居る人に怒られたり行列が止まることもあります。
時折、小雨降る中、渡御は進みます。
奴行列に御祝儀が上がると、
「◯○家、奴所望〜」
という掛け声で、
「ほー、ほー」
と、奴行列が掛け声上げながら進みます。
踊り山車は、雨の影響で午後から出ない山車もあるようでした。
それにしても参加する人が多く、見ている人が少ないと感じてしまいます。雨の中の巡行お疲れさまです。
行列もいよいよ神社に戻ります。猿田彦も高下駄のまま、階段(福島大神宮は小高い所にあるので、階段で本殿に行く)を登ります。
一歩一歩確実に進みます。
猿田彦の後、階段に登るのが四箇散米行列、奴行列と続きます。猿田彦は、その様子を見守ります。
この年、神輿の担ぎ手がいないのでトラックでの渡御になりました。
無事に渡御祭が終了しました。天気には恵まれませんでしたが、無事故でケガもなく巡行出来ました。
渡御祭の終了の後は、直会(なおらい)です。直会(なおらい)とは、神事を行い元の自分達の世界に戻る(直る)から直会(なおらい)ということをどこかで聞いた事があります。まかないの台所は、この時のために御馳走を用意しています。
直会(なおらい)の料理です。その土地に馴染んだ料理と、その土地の味付けをいただきます。私は神社でいただく、お米の味が美味しいと感じます。
神社の例祭(お祭り)というのは、日付が決まっており毎年毎年、その日付で行われるのが習わしとなっています。勝手に移すことが出来ないと云います。平日でも祝日関係なく執り行われます。平日だと、人口問題で参加者が激減し、本来ある行列が出せないという状況が見られます。出易い日程に会わせて人に出てもらうのが良いのか、日程を変えずに賑わいを殺して粛々と祭事をこなすのが良いのか、選択に悩むと思います。人口が減りつつある中、そういうことも言えなくなって来ていることを考えると、日程を変えるのはしょうがないと思われます。
本祭の神事を本来の日にして、渡御祭を土、日にするのは、もうしょうがないことだと考えられます。