9月21日(金)
毎年お邪魔させてもらっている鹿部町の本別稲荷神社を取材しました。
私の取材の基準は、以前訪問させてもらった時の印象から見て、神楽が良かった所や、素晴らしい所はなるべく毎年行くようにしております。氏子さんから「来年も来てください」言われた所とかもあり様々です。以前取材した所でも、都合上行けなかったり、見直す意味で取材に行く事があります。こういう取材は、ある定期的に行く事が肝心だと感じております。
本別稲荷神社は、神楽も良く、いつも良くしていただいているので時間が許す限り行く事にしております。
今回は普段やらない神楽舞が行われるということもあり、行かない訳にはいかない事情もあり取材させてもらいました。
祭礼が終わると、松前神楽の鎮釜湯立式に入ります。
鎮釜湯立式 釜清め
鎮釜湯立式
鎮釜湯立式 湯上げ
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鎮釜湯立式が終わると、笹湯(ささゆ)をいただき、神楽舞が行われます。
今回行われた神楽舞は、幣帛舞(みてくらまい)、二羽散米舞(にわさごまい)、翁舞(おきなまい)、三番叟(さんばそう)、鬼形舞(きがたまい)、神遊舞(かんあそびまい)、荒馬舞(あらうままい)、注連祓舞(しめはらいまい)、十二の手獅子舞・獅子の鈴上げ(じゅうにのてししまい・ししのすずあげ)・面足獅子(もたりしし)の九座行われました。珍しいのは、「鬼形舞(きがたまい)」と「十二の手獅子舞・獅子の鈴上げ」です。滅多に行われる神楽舞ではありません。松前神楽保存会4つありますが、現在頻繁に行われている舞いではありません。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
幣帛舞(みてくらまい)
二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
二羽散米舞(にわさごまい)
翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。
翁舞(おきなまい)
三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
三番叟(さんばそう)
「鬼形舞(きがたまい)」は、赤熊毛しやが、 鬼狩衣、 白襷で、 背腰に扇一本を差し手拍子 (茶釜) を持ち、 二人で舞い蝦夷(アイヌ)の生活を表現しているといわれる舞いです。
鬼形舞(きがたまい)
神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
神遊舞(かんあそびまい)
荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪くこれを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。
荒馬舞(あらうままい)
注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いであります。
注連祓舞(しめはらいまい)
十二の手獅子舞・獅子の鈴上(じゅうにのてししまい・ししのすずあげ)
獅子の手に鈴を持ち、鈴を振りつつ神の心をお慰めして、「神威あまねく点火に伊照り輝きけり」を祝う舞いであります。
十二の手獅子舞・獅子の鈴上(じゅうにのてししまい・ししのすずあげ)
コミカルな楽に変わり猿田彦が登場し、暴猛な大獣獅子を手玉にとって遊び戯れ、平和な世の中を招く悪魔降伏の舞いであります。
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)
普段行われない「鬼形舞(きがたまい)」と「十二の手獅子舞・獅子の鈴上げ(じゅうにのてししまい・ししのすずあげ)」を同時に見られたのは、あまりないので貴重な時間でした。宵宮祭には、十二の手獅子舞・獅子の上(じゅうにのてししまい・ししのじょう)が行われたようで、そちらには行けなかったので残念でした。
これからも普段しない神楽をして欲しいと感じます。伝承という面では、特別ではなく、確認する意味を含めても、行っていかなければ担い手が育たないので、定期的に行われて欲しいです。
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