松前神楽松前ブロック連合保存会

【北海道の神楽】松前町・松前神社本祭での松前神楽(平成29年)

2017年8月5日に取材

毎年でありますが、ここに来て松前神楽を見ています。とても行き易いというのもあるかもしれませんが、私にとって非常に日程もいいということもあると思います。
このブログも思いつくまま、各地の神社のお祭りを巡り自ら取材していますので、自分の都合のいい場所に行くこともしばしばです。毎年ではないと思いつつ、記録を見ているとダイドードリンコ「日本の祭り」に同行してから毎年本祭には、来ているという状況です。
 
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松前神社本祭

本来松前神楽は、神社の祭式に沿って行われる神楽なのです。式次第があればいいのですが、おおまかに記すと、

・開式の辞
・修祓(しゅばつ)
神職が神前に於て祓詞(はらいことば)を奏上し、大麻(おおぬさ)で
すべてを祓い清める。
・開扉(かいひ)
御扉を開けます。
・献饌(けんせん)
神前にお供え物をする儀式。
・祝詞奏上(のりとそうじょう)
神職が神前に祝詞を奏上する。
・斎主玉串拝礼(さいしゅたまぐしはいれい)
そこの宮司が務めてその斎主が神前に進んで玉串を奉りて拝礼します。
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串は、この1年を祈ってその心を神に捧げるものです。
・松前神楽奏上
鎮釜湯立式を行う所は、湯立神事を行い、その後に舞学を行います。
・撤饌(てっせん)
お供え物を下げる儀式
・閉扉(へいひ)
御扉を閉めます。
・閉式の辞

松前藩時代の神社の式次第を見ると上記の形式の間に、神楽舞が入ったり、鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)が入ったりと行われていたようです。上記は、現在の祭式の流れです。

松前神楽奏上

玉串奉奠(たまぐしほうてん)が終わると、松前神楽が行われます。松前神社では、鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)から入って行きます。
 

鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)

鎮釜湯立式とは、鎮火祭という火を鎮める神事です。釜でお湯を焚きホムスビノ神とミズハノメノ神をお祭りし、火(霊)を祓い清め、釜に向かい神歌を奏で鎮釜・鎮火を行います。また、湯笹で四方を拝し祓い清め除災招福を修します。この笹湯は祓われて外症状を治し、飲んで内症状を良くすると言われております。また、作物・漁獲量の吉凶を占う神事であり、松前神楽三十三座の中に十二座入っている神事です。
平成29年 松前神社 本祭 鎮釜湯立式
鎮釜湯立式

湯立神事が終わると、「笹湯(ささゆ)」をいただきます。参拝者には、振る舞われます。
平成29年 松前神社 本祭 笹湯

さて、鎮釜湯立式の後から舞楽に入ります。今年は、七座奏上されました。
榊舞、福田舞、二羽散米舞、翁舞、三番叟、注連祓舞、十二の手獅子舞・五方の七座です。

榊舞(さかきまい)

最初に行われるのが、「榊舞(さかきまい)」です。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 榊舞
榊舞(さかきまい)

福田舞(ふくだまい)

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 福田舞
福田舞

二羽散米舞(にわさごまい)

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 二羽散米舞
二羽散米舞(にわさごまい)

翁舞(おきなまい)

翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 翁舞
翁舞(おきなまい)

三番叟(さんばそう)

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 三番叟舞
三番叟

注連祓舞(しめはらいまい)

注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 注連祓舞
注連祓舞(しめはらいまい)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
平成29年 松前神社 本祭 松前神楽 十二の手獅子舞五方
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

まとめ

毎回、松前町まで行き見ていたのは、神楽を行う神職さんがいいので見ておりました。ここは上手い人が揃っております。
何かの時にでも、この熟練の神楽を行う人をブログではなく紹介したいと思っており、それはいつになるかな?
今年も神楽を見られて良かったです。

動画でもこの様子を見られます。
こちらから

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