2017年1月15日に取材
朝を迎えて行修者は、起床とともに1回だけ行われます。だいたい午前5時くらいだそうです。
それ以降の水垢離(みずごり)は、控えております。最終日は、「本番」ということで身体が出来上がっているという状況ですので、水垢離(みずごり)をしないで、海水沐浴に備えます。
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【佐女川神社】寒中みそぎ祭 準備
海水沐浴に向けての準備の様子です。
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 みそぎ浜へ
出御祭を行いいよいよ、海水沐浴に向けて四人の行修者が、御神体を持ち拝殿から出てきます。
左から、別当(四年目)、稲荷(三年目)、山ノ神(二年目)、弁財天(初参加)と並んでいます。今年の弁財天は、15才中学生での参加です。18才に、別当になるということですね。これから楽しみです。
御神体の説明は下記の通りです。
【別当(べっとう)】
玉依姫命(たまよりひめのみこと)佐女川神社の主祭神で、初代神武天皇の母。
【稲荷(いなり)】
宇迦御魂神(うがのみたまのかみ)お稲荷様として知られている商工業・農業の神。
【山ノ神(やまのかみ)】
大山津見神(おおやまづみのかみ)大山に住むといわれ、山を司る神。
【弁財天】
弁財天は七福神の中でただ一人の女性の神。一般的に弁天様といわれる。
✳︎「木古内町観光協会」ホームページより引用
出御祭からみそぎ浜を目指して、御神体を持った行修者は守られながら向かいます。頭上には、昨年開通した北海道新幹線が走っております。
佐女川の様子
毎年の写真ですが、今年の佐女川の様子です。
今年の、佐女川は完全に凍っております。と言っても上の部分だけで、下は流れております。
昔はこの川の水を使用して、水垢離(みずごり)していた様ですので、さぞ冷たいかと思われます。
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 みそぎ浜にて
行修者よりも早めに、みそぎ浜に到着しました。この浜に入るには、手続きが必要です。マスコミ用、写真コンテスト用の腕章をいただけないと中に入れないようになっております。私はどちらでも中に入れるのであれば、いいと思っております。中に入ってしまえば仁義なんて無い状況になります。基本撮影場所は、譲り合いが無ければケンカの元になります。
今年は、青空が出ており気持ちのいい海水沐浴を見ることができそうですね。
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 海水沐浴
警護されて津軽海峡を前にして、2日間の水垢離(みずごり)の成果を出す時です。
四人の行修者は、津軽海峡に走り込み、御神体を清めます。
御神体をもって特別会場に上がり、みそぎ浜での水垢離(みずごり)を披露します。
そして、観客に向けて水をかけます。これを浴びたものは、一年風邪をを引かないと言われております。カメラを隠しつつ、撮影しなければと感じつつ、カメラはどうしても逃げ腰になってしまいます。
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 境内にて最後の水垢離
ここで、みそぎ浜での行事を全て終了して、休憩を挟んで神社に向かいます。御神体を持った行修者は、警護されながら神社まで戻ってきます。
最後に、水垢離(みずごり)を行います。このみそぎ祭の最後の水垢離(みずごり)です。
この最後の水垢離(みずごり)を最初にするのが、稲荷なのです。普通は、別当が最初なのですが、それには訳があるのです。稲荷には仕事があるのです。拝殿の右側にある稲荷神社に参拝して、行修者のわらじの鼻緒を切断して奉納するという仕事があるからなのです。
行修者が拝殿に戻るまでに、稲荷神社に参拝を済ませ、わらじを切りにかかります。切り終わったわらじは稲荷神社脇に奉納されます。わらじを切るというのは、このわらじを使用されないためだそうで、行修者は3日間神様扱いされるので、神様の履いたわらじは二度と履かせないという意味があるようです。
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 本祭と松前神楽奉納
これらの行事が終わると、本祭が行われます。行修者はこの本祭が終わると元の「人」に戻るようです。
本祭の祭式が行われます。行修者の玉串奉奠の様子。
松前神楽奉納
ここからは、松前神楽の奉納です。
別の取材でここまで取材するのは、久々でしたが、通常通りの五座ほど行われました。
行われた神楽舞は、榊舞、福田舞、三番叟、注連祓舞、十二の手獅子舞・五方の五座です。
幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
榊舞(さかきまい)
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
福田舞(ふくだまい)
三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
三番叟(さんばそう)
注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。
注連祓舞(しめはらいまい)
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
【佐女川神社】寒中みそぎ祭 まとめ
今年も取材できたことに感謝です。
毎年見つめ続けている祭りの一つですので、来年も行くことになると感じております。
15歳の弁財天の成長も楽しみです。
木古内町の道の駅「みそぎの郷 きこない」にて、写真集を販売しております。
十数年の蓄積を1冊にして、販売しております。ようやく在庫が無くなりますので、お早めにご購入ください。