今年も取材させてもらった古平町・琴平神社例祭である。松前神楽は行われない神社であるが、「猿田彦の火渡り」を見る為にやってきた。昨年見た火渡りが忘れられなかったのだ。
と同時に、小樽の塩谷地区にある、塩谷神社でも例祭だったので、松前神楽も見れると思い訪れたが、今年から松前神楽は行われなくなったという事を現地で聞く。全く残念でしょうがない。しょうがないので、古平町に向かう事にした。本来ならば、「猿田彦の火渡り」のみを撮ろうと考えていたのだが、昼間の渡御から取材に入れるとは思わなかった。
日程では、7月10日(金)に宵宮祭が行われ、海上渡御が行われる。天候悪化の為に、海上渡御は行われなかったようだ。海上渡御でも猿田彦がメインで、神事が行われるらしい。
さて、昼過ぎに到着し昼からの渡御を取材させてもらった。
笛と太鼓が遠くから聞こえてきて、行列が近づいてくるのを聞くと、昨年の夜の渡御祭を想い出してきた。楽も道南の行列の楽とは異なる。道を清める行列から始まり、次は旗手が並び、次はこの祭りのメインである「猿田彦」が、大きな態度と鼻高々で堂々と歩いてくる。
行列の先頭
旗手
ある特定の場所に行くと、猿田彦に酒を振るまう儀式がある。テーブルの上に、御神酒を用意し猿田彦が到着するのを待つ。
行列の先頭
塩で清める
御幣を振る
猿田彦のお祓いの舞いが行われる。威風堂々とした猿田彦が、楽に合わせて左右、前後と動き鉾を降り、周辺を祓い清める。
猿田彦登場
猿田彦は、神様の道先案内人であり渡御の祭には、たいていの地域では行列の先頭を歩き、鼻高々と歩き行列の進行を司る。猿田彦は神様の道先案内人であるので、基本的に止まると行列は前に進めないのだ。祭りには、各土地での風習や伝統により、猿田彦の権限の強弱が存在するのだ。猿田彦をする人は、誉れであり、それなりの人がなっていたようだ。
行列がある特定の場所に(多分、各町内で1ヶ所くらいに行われるように見えた)、代表者が出迎えて、猿田彦の到着を待つ。楽が変わり、猿田彦はこの代表者の前で祓い清めて、座り込む。
じっと猿田彦の舞いを受ける
前後左右に、大きく動き、周辺を祓い清める
座る猿田彦・世話役が迎えるようにも見える
座る猿田彦
猿田彦が、座り込むと獅子が出てきて、代表者の前に出てくる。軽やかな舞いを見せてくれる。獅子舞を数カ所で見てきたが、獅子の動きも舞いも、素晴らしい。
獅子舞
そして猿田彦は、用意されていた日本酒を飲む。しばらくすると、立ち上がり歩き出す。行列は進行する。この立ち止まるのは、古平町内に数十ヶ所程あり、このように止まり神事を行い、その地域とその土地の1年の邪気を祓い清めるをする。
日本酒を飲む猿田彦
猿田彦の後ろには、奴行列、神輿が続き、他の神輿、各町内の山車が連なる。奴行列では、掛け声を掛けながら進み、奴棒を降り進行する。
奴行列
奴が終わると、神輿が立ち止まり、神輿に付いている宮司が、祝詞を奏上し、その地域や土地の代表者も参拝する。
神輿
祝詞を奏上する
2基の神輿も同様にやってきて、威勢のいい掛け声と共に行進する。
このような流れで、行列は行われる。立ち止まる個所は、古平町内数十ヶ所程もあり、2日間で全てを行き、各土地を祓い清めて行進するのが渡御祭なのだ。
この地域はトンネルも多い地域であり、神輿行列はトンネルも抜ける。
トンネル内
トンネルを抜けた行列
トンネルを抜ける頃は夕方であり、神事を行いながら進み、古平町役場横にある恵美須神社前で行われる「猿田彦の火渡り」が行われ、最初の火渡りは完了である。
猿田彦だけ火渡りする訳ではなく、続く神輿も同様に火渡りが行われる。「火」は、清めの篝火(かがりび)である。本来は、御神輿がその火を渡って清めるのであるが、現在は種々の事情で御神輿を担ぐことが少ないので、御神輿の先導をする猿田彦が先ずその火の安全を調べ、確かめるために先に火渡りをするのであるが、この方が現在は主となっているようだ。
神輿の到着を待つ猿田彦
清めの篝火(かがりび)がともされる
この火渡りを見ようと、ギャラリーは大勢になり、火とともに奏でられる笛、太鼓が会場を鳴り響き、猿田彦の火渡りを心待ちにしている。
火の周りを獅子が舞う
最初に猿田彦、獅子、神輿が火渡りが行われる、高らかに立ち上る炎に火渡りが行われた。
火渡りする猿田彦
火渡りする猿田彦
火渡りする獅子
この火渡りで、祭りは最高の盛り上がりとなる。火渡りした猿田彦、獅子、神輿は、恵美須神社内での神事が行われ、最初の渡御祭は終了となる。
次の日は予定があるので昼間は、取材できなかったが、クライマックスの火渡りには間に合うようにして行きたいと思う。
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