渡島地方の松前神楽

鹿部町 本別稲荷神社宵宮祭

鹿部町で松前神楽が行われるのは、7月7日~9日に行われる鹿部稲荷神社例祭と、今回の本別稲荷神社です。
本別のお祭りがやってくると、そろそろ松前神楽を見られる機会が少なくなり寂しくなります。
本別稲荷神社の由緒は、

創立については詳かではないが文化11年9月10日漁業者の1人高橋惣ヱ門氏が南部より渡り、本別地区に於いて漁業を営みその際漁業守護神として社殿を建立した。その後嘉永3年7月頃になり地区戸数も約60戸となり同年8月社殿を新築し本別地区の守護神として祭典を行う。明治24年戸数も130戸となり伊藤源吾翁が私財を投じて社殿を再建。明治5年5月7日には伏見稲荷大社に懇願をし御分霊璽を仰ぎ御祭神として鎮座、村内安穏家運隆盛、海上安全、五穀豊穣等の祈願社として今日に至る。昭和27年9月社殿も相当破損しているので伊藤源吉氏等8名が委員に挙げられ地区の寄付を仰ぎ大修繕を行うが昭和29年9月26日未曾有の台風15号に依って全壊したが、同30年9月20日に再建、11月末日に竣工12月23日御遷座奉祝の祭典を挙行する。その後、社殿腐朽により全面改築をし、流造の社殿を建立し、平成13年10月28日に遷座祭を斎行し現在に至る。

北海道神社庁より引用
いつも神社の由緒を紹介しておりましたが、本別は記しておりませんでした。
神事が終わり、神楽舞に入る前に行われる「神楽始(かぐらそめ)」から入りました。
神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。
松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。
本別稲荷神社 神楽初
神楽始(かぐらそめ)
神楽舞いに入る前に、舞いの解説をしてくれます。
榊舞(さかきまい)の御幣の先に付ける榊を付ける所と、付けない所があり、御幣でも地方の差があるのだと、数年間で気が付きました。このブログでも詳細を紹介出来たらと思っております。
神楽説明
神楽の説明
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行われた神楽舞いは、榊舞(さかきまい)、福田舞(ふくだまい)、鈴上舞(すずあげまい)、利生舞(りしょうまい)、十二の手獅子舞・五方の五座が行われました。
榊舞(さかきまい)、幣帛舞(みてくらまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いであります。
松前神楽 榊舞
榊舞(さかきまい)
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いであります。
松前神楽 福田舞
福田舞(ふくだまい)
鈴上げ(すずあげ)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。
天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いであります。
松前神楽 鈴上舞
鈴上舞(すずあげまい)
利生舞(りしょうまい)は、神々に初穂を献じ、 鎮魂を祈るため、 烏帽子、 狩衣、 扇、 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞(にわさごまい)の省略した舞いであると云われていまして、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いです。
松前神楽 利生舞
利生舞(りしょうまい)
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
松前神楽 十二の手獅子舞・五方
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
今年のお祭りも残り少なくなってきました。今月末には、4年目置きに行われる矢不来天満宮大祭であります。
奴行列で、襦袢(じゅばん)を着ての行列はあまり見られないので、期待しています。
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