檜山地方の郷土芸能

厚沢部町 美和八幡神社宵宮祭 目名権現獅子舞

今回初めて訪問させてもらった、厚沢部町の美和八幡神社には、この土地に独特の「獅子舞」があり例祭の時に披露されるというのを聞いた。厚沢部町の獅子舞とは、たいていは、「獅子」ではなく、「鹿子舞(ししまい)」と書くように「鹿」である。
宵宮祭の後に行われるというので、神楽と郷土芸能が見れる機会ができたのだ。神楽の様子は前回で紹介させてもらった。
美和地区には、古くから入植者がきていて、鰊漁の時期には鰊漁に行き手伝い、鰊の時期が終わると、山の仕事をしていたそうだ。冬の間に出身地を懐かしんで、笛、太鼓を慰めにしているうちに権現舞が伝わったと云われている。この舞いの流れは、岩手県遠野、青森県南部にあった権現舞がルーツになると云われている。現在に、岩手県遠野市や青森県南部地方には、この権現舞が途絶えてしまったらしく、北海道ではこの美和ともう1つ(もう1つは教えてもらった人も思い出せなかったらしい)があって、この権現舞を伝承されているようである。本州の文化が北海道で、生きている貴重な獅子舞である。
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目名権現獅子舞
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目名権現獅子舞
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目名権現獅子舞
見た感じでは、江差・厚沢部で行われている神楽の獅子舞とは異なり、荒々しい動きはあまりない。獅子の中に入りこんだりもしないし、手で操るだけで、獅子の動きを表現している。優雅な獅子の動きと、笛、太鼓も優雅に鳴り響き披露される。途中から神歌が入り、楽の合間で「よいよい」「はっ!」とあいの手が入る。今回は、現れなかったが、白狐が現れて獅子をからかう仕草をするようだ。明日、行われるようだ。白狐が見たいので明日また見せてもらうことにした。

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