9月17日（月）敬老の日
敬老の日ということもあり、２年前に訪問させてもらった仁木町・仁木神社の宵宮祭を取材させてもらいました。
その土地土地に風習があり、お祭りでも少々異なることもありますが、こちらは宵宮祭の時に松前神楽を多く行われるということで以前取材しました。確かに住民も多く松前神楽を楽しみにしている事も伝わってきましたので、今年もそのような光景が見られるだろうと思い、機会が合い再び取材をしました。
仁木神社
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行われた神楽舞は、幣帛舞（みてくらまい）、福田舞（ふくだまい）、二羽散米舞（にわさごまい）、三番叟（さんばそう）、兵法舞（へいほうまい）、翁舞（おきなまい）、神遊舞（かんあそびまい）、鈴上（すずあげ）、十二の手獅子舞・五方（じゅうにのてししまい・ごほう）・面足獅子（もたりしし）の松前神楽・九座と、三条神楽の太平楽が奏上されました。
幣帛舞（みてくらまい）、榊舞（さかきまい）、祝詞舞（のりとまい）とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主（その神社の宮司）が最初に舞われる舞いです。
幣帛舞（みてくらまい）
福田舞（ふくだまい）、跡祓舞（あとはらいまい）とも云います。跡祓舞（あとはらいまい）は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓（あとはらい）とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
福田舞（ふくだまい）
二羽散米舞（にわさごまい）、庭散米とも書き、鳥名子舞（とりなごまい）とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
二羽散米舞（にわさごまい）
三番叟（さんばそう）は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
三番叟（さんばそう）
兵法舞（へいほうまい）は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いです。最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞います。北海道の歴史を表現した舞いであります。
兵法舞（へいほうまい）
翁舞（おきなまい）は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いであります。
翁舞（おきなまい）
三条神楽は、小樽・札幌・室蘭等で行われている神楽で、新潟県三条市の八幡神社に伝わる神楽であります。
太平楽（たいへいらく）は、天の岩戸の変の時、イシコリドメノミコトが天の金山の鉄で、やたの鏡を造り、その完成を祝ったという故実による。太平楽とは、広辞苑によれば、”すきほうだい” ”でたらめ” ”のんきにかまえる”などの意味があり、この舞も二枚の盆を左右の手にそれぞれ一枚ずつもって即与に曲芸的に舞ったと云われてます。
とあります。こちらから引用しました。
三条神楽 太平楽盆舞
神遊舞（かんあそびまい）、天皇遊舞（てんのうあそびまい）とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広（のりひろ）公の作品だと伝えられています。
神遊舞（かんあそびまい）
鈴上げ（すずあげ）、神子舞（みこまい）、乙女舞（おとめまい）とも云います。
天女の天降るさまを舞う神子（みこ）の祝福の舞いです。
本来は１人舞いですが、最近の傾向では、担い手が多い所では２人から４人で舞われておるようですが、本来は１人舞いです。
鈴上げ（すずあげ）
十二の手獅子舞・五方（じゅうにのてししまい・ごほう）
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中（真ん中）を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
十二の手獅子舞・五方（じゅうにのてししまい・ごほう）
コミカルな楽に変わり猿田彦が登場し、暴猛な大獣獅子を手玉にとって遊び戯れ、平和な世の中を招く悪魔降伏の舞いであります。本来、猿田彦も２人も出ませんし、獅子も２匹登場はしません。
上２枚 十二の手獅子舞・面足獅子（じゅうにのてししまい・もたりしし）
住民の方が、神楽を見に来るという羨ましい環境にあります。これからも神楽普及と伝統を継承して欲しいと思います。
私個人のことですが、他の神社で行われている神楽を何カ所も訪問しているので、当然目が肥えてきます。
「本来、神楽とはどういうものか、どのように行われてきたのか、地元の人はどのように考えて行われてきたのか」等を考えながら、氏子さんや周辺の人に聞いたりしておりますが、昔ながらの神楽の維持というのは、難しい時代になりました。見てもらう工夫をこらすのはいいのですが、本来の意味を踏まえたり昔はどのように行われてきたという事実の継承と考慮が無くなりつつあるように感じられます。
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