2013年6月16日に取材。
旧南茅部町の大船地区での例大祭は、あまり取材に入っておりませんでした。
4年前の新聞記事に、新しい船山(ふなやま)を制作し次回のお祭りに披露するとの記事があり、次回は取材と決めていましたが、忘れておりました。いつもお世話になっているお人から電話をいただき、大船まで行けないから新しい船山を取材して欲しいと言われて思い出しました。
[toc]
船山に遭遇
車で、細い旧国道を行くと、早速船山(ふなやま)に遭遇しました。
大勢の人が山車を引いていて、とても賑やかです。地方によっては異なりますが、山車の様子でその祭りの賑わいと、大切にしている様がよく見えます。山車の様子が、祭りのバロメーターとなっていると思っています。
船山(ふなやま)
衣装も半纏ではなく、祭り用の浴衣を着ています。4年に一度の渡御祭ということでこの地区では、盛大に行われているようです。
そして、沖揚げ音頭を歌いながら、山車の巡行が行われています。福島町から日本海に向けての地域で、沖揚げ音頭が郷土芸能で残されていますが、この地区では聞くことができました。
船頭が、「ヨーイトコ ヨーイトコナー」と言うと、引き手が合わせて綱を少しだけ引きます。数回同じ様なことを繰り返し、船頭が「ヤンサーンノ」というと、引き手が「ドーッコイ」と山車が進み出します。これは、日本海側で良く聞かれる「沖揚げ音頭」です。
大船稲荷神社渡御祭の様子
さて、さきほど見た船山が新しい船山ではないようで、もう一つの船山をお見せするのは後にして、神社行列を拝見に行きました。これだけ大きいお祭りだったら、神社行列はどうなんだろうという好奇心が働きます。
先頭は、トラックの上に旗が載せており、次は猿田彦、その後ろが奴行列で、神輿という順番での巡幸でした。
権限の強い猿田彦
こちらの猿田彦、下駄を見ると一本下駄で巡行しています。
終始、この下駄を使用するということでした。
さてここの猿田彦、各家の前に止まりご祝儀の貰い方が面白い風習です。動画でご覧下さい。
ご祝儀が少ないと判断する猿田彦は、貰っても動きません。袖引きまたはお付き(地方によっては呼び名は異なります。)が、もう一度迎えている家にご祝儀をもらいに行きます。二度、三度行われるようです。
船山の沖揚げ音頭と踊り
さて、お目当てのもう一つの船山(ふなやま)を見に行きました。
新しい船山(ふなやま)です。手作りで制作した山車だそうで、子供達にこの山車を引かせようということで制作されたとのことです。
各場所で、踊りが披露されています。皆さん、上手いこと、数曲のレパートリーがあります。
大船稲荷神社例大祭渡御祭 まとめ
渡御の時間がかかるようで、4年に一度の渡御祭ということで活気がありました。
江差の沖揚げ音頭や、強い権限を持った猿田彦の風習は、ここでも見られたのはうれしく思いました。そして伝統を守るという雰囲気もあり、次の渡御祭は全体しっかりと取材したいと思わせるお祭りでした。