2018年7月5日に取材
猿田彦の火渡りを取材といえば、古平町・琴平神社を取材しておりました。以前からも、もう一つ猿田彦が火渡りをする所であり、今回取材した美国の火渡りが、仕事として取材することになりました。
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美国神社の由緒は・・・
美国神社の由緒は、
合併により合祀された歴史をもつ御祭神
小泊稲荷神社 保食神 弘化元年創祀 弘化元年合祀・厚苫稲荷神社 保食神 安政2年創祀 安政2年合祀・婦美稲荷神社 保食神 安政元年創祀 明治44年10月10日合祀・茶津内稲荷神社 保食神 天保元年10月創祀 明治44年10月10日合祀・船澗稲荷神社 保食神 文久元年創祀 明治45年7月4日合祀・大綿津見神社 大綿津見神 明治3年創祀 明治44年10月10日合祀・大山祇社 大山祇神 明治4年創祀 明治44年10月10日合祀
北海道神社庁より引用
この火渡り神事がいつ頃から行われたかという疑問は、古平の火渡りと共に調べてみましたが、詳細がわからないということでした。
猿田彦の火渡り(天狗の火渡り)
この地ではもっぱら猿田彦のことを「天狗さん」と呼んでおります。確かに赤い顔に花が高いお面を見れば、「天狗」と呼ばれても仕方がないと思います。渡御祭の先頭に凛々しく立ちはだかるのは、神輿の中におられる神様の道先案内人である「猿田彦(さるたひこ)」が本当の名前です。愛称「天狗さん」といえばいいのでしょうね。
猿田彦が神社に戻る際に、火渡りを行い身体を清めてから拝殿に戻るという神事が行われているのは、日本でも珍しい光景ではないだろうか。山伏の影響も見え隠れしてしまう光景です。猿田彦が火渡りを行うと、神籬や神輿も火渡りしてから拝殿に入ります。
撮影する側としては、数秒の世界を切り取るわけですが、タイミングと立ち位置が問われると感じております。
発興祭
当日は小雨がパラつく天候でした。その中でも倉庫にしまっていた神輿を拝殿前に据え置き、神事が行われ、神輿に御霊を移す神事も同様に行われました。
どうにも天気が悪く、渡御にも影響が出そうです。やはり出発が遅れて行くことになりました。
行列の準備が整いつつ、小降りになった天気に変わり、いよいよ渡御祭のスタートです。
渡御祭スタート
行列の先頭は、塩打ちですが、ここの塩打ちは大きく塩を撒いて行きます。水戸泉のように、大胆に塩が撒かれます。
次は、もちろん猿田彦です。一本下駄を履いての渡御は相当体力のいることだと感じます。
絶えず、周辺の様子をうかがい、猿田彦は何処か失礼のないように探しながら渡御しております。
洗濯物が出ていることや、2階から覗いているなどの失態をしているのを見つけるやいなや、左手に持っている扇子で、大きく指摘します。猿田彦の脇にいる袖引きさんかな?(猿田彦のお世話をする人)家に駆け込み、洗濯物であれば下げさせ、二階から覗いている人に家まで行き、その旨お知らせして、解除してもらいように説明に走ります。塩で清められ、行列は進行します。その間は、猿田彦は動くことはせず、当然行列も動くことがありません。
交差点では、左右前方を注意しながら渡御して行きます。これだけ、猿田彦に権限のあるところは全国的にも珍しいと思われます。
神輿が海に入る!
初日の渡御では、神輿が海に入るということで、神輿の担い手は準備に入ります。
気合が入ってきております。地元の若い人もこの祭りを楽しんでいるようです。
毎度、この地区に入ると神輿が海に入るようです。女性だけの神輿「桜組」が海に入るということが決めて、地域の盛り上げのために楽しんでいるように感じられます。
快晴ではない天気の上に、気温も高いわけではないのですが少々肌寒い感じがしますが、神輿は海に向かいます。
海中渡御は盛り上がりますね。地元の人のパワーを感じます。
山車のお囃子の笛が、いつも気になります。子供らが自分の下の子たちにふとした時間の合間に笛を教えている光景が入ってきました。伝承されていくお囃子・・・いい光景です。
初日の火渡り
さて、このために撮影に来ております。猿田彦の火渡りも有名になり、各地からいらっしゃる人も多くなってきているようです。火渡りをする場所は、美国神社境内です。明日も行われる火渡りも神社の境内なのです。
行列が境内に戻ってきます。このときの天気は、火渡りも無事に行われるのだろうかと思わせるような強風で、最悪「中止」になるのではと思ってしまうほどの風でした。それでも行われる神事です。あまり大きく火を起こさないということで、執り行うことになりました。
猿田彦(天狗)の火渡り
いよいよ午後7時頃になり、火渡りを行われる時刻になっても少々風がキツイような感じです。
神職が火種になるおがくずの前で祈祷をして行きます。その後は、塩打ち、大麻が祓い清めます。なんとも幻想的です・・・
おがくずが数回入れられ、炎が大きく燃え上がります。炎は2ヶ所あり、往復して最後は拝殿に入ります。
さていよいよ、猿田彦が火渡りを行います。数回ほど、最初の炎の前で動き回り、調子を整えます。猿田彦のペースで炎に入るので、絶えず緊張しながらカメラを構えます。
あっという間に一つ目の炎に入り、次の炎のタミングをはかります。少々、炎におがくずを焼べる人の手が入ってしまいました。
数秒のシャッターチャンスに大勢の人が見守ります。
あっという間の出来事でしたが、次から次へとまた炎をくぐり抜けて、神輿がやってきます。
激しい祭りです。おがくずの燃えたカスが頰に当たり、「あつ!」とそうも言っておらず、この日の取材は終わりました。
ダイドードリンコ「日本の祭り」の写真館でも、公開しております。合わせてご覧ください。
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