北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

【北海道松前町原口地区の神事と神楽】原口八幡神社「新年門祓神事と歳旦祭」(平成30年)

2018年1月4日に取材

松前神楽を取材し始めて十数年が経ち、松前町内に民間の保存会がかつて三つありました。
一つは、毎年元日に門祓神事・神楽奉納を行なっている「清部八幡神社」と、かつて存在していた「江良八幡神社」、そして「原口八幡神社」の三社です。現在は、二つの保存会が松前神楽の伝承を行なっています。今回の原口八幡神社は参加人数も少ないですが、正月の門祓神事と、歳旦祭の中に松前神楽を一座から二座ほど奉納しております。歳旦祭と厄払いの神事も含めて行われております。

今年もどの程度行われるかわかりませんが、取材してきました。見ていても無くなってしまいそうな行事ですので、見続けることが大切だと思っています。

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原口八幡神社「新年門祓神事」

まずは、門祓神事から取材に入ります。主に子供達が、塩打ち、御幣、獅子と各家々を周り玄関前を祓い清めて行きます。


塩打ち


御幣を振る


御幣を振る


獅子が口を開けて尾っぽを振る

一連の流れを行い、地域内の家々を祓い清めていきます。この後ろには、鏡や旗を持った氏子の方々が続きます。
動画でも流れをご覧ください。


 

歳旦祭と松前神楽奉納

今年は厄祓いの方が参拝されたので、松前神楽の十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)が行われました。
昨年は厄祓いの参拝者がいなかったので、この舞いは行われませんでした。

十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。

十二の手獅子舞・五方〜面足獅子へと流れていきます。
厄年の人は、肌着を持参して参拝します。その肌着を獅子をクチに入れて吐き出します。この行為から、その人の肌着はその人そのもので、獅子がその厄を食べて、厄が落ちた肌着を着ることにより厄祓いが行われたということだろうと思います。
猿田彦は、子供達を獅子の前にだしたりして盛り上げて終了となります。幼子はこの獅子の大きさを前にすると、当然泣き出しますね。
それを見て見守る大人という様子は、微笑ましい光景です。

原口八幡神社「新年門祓神事と歳旦祭」まとめ

今年も正月に、三度目の神楽を拝見しました。その地域だけのイベントですが、見ている方もこの地域にはこのような風習があるのかとか、神社と地域の関わりなどの勉強にもなります。無くならないように守っている光景を見続けていこうと思います。

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