北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

平成19年 木古内町・佐女川神社「寒中みそぎ祭(水垢離体験編)」

寒中みそぎ祭の取材中に、拝殿で暖を取っていると、行修者のOBがいらっしゃっていてよく見ると昨年も水垢離(みずごり)をしていた人だった。

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元行修者の水垢離

お話させてもらうと、毎年佐女川神社にやってきて水垢離(みずごり)しているようです。毎年この佐女川神社拝殿まで来ていて、水垢離(みずごり)するかどうか悩みながら、現役の行修者を見守りつつ自分も水垢離(みずごり)を行うかどうか悩みつつ、行修者のお世話なんかも行っている方でした。今年も拝殿まで来て水垢離(みずごり)をするかどうするか、悩みながら行修者の水垢離(みずごり)を見守っていました。

水垢離しませんか?

 
元行修者というものはこういうものかと思っていろいろとお話していたら、
「いっしょに水垢離(みずごり)しませんか?」
と誘われました。
 
いやはや、カメラマンにそんなことを誘うとは!

行修者をお世話している人の中にも、水垢離(みずごり)するという人が出てきて、これは困りました。
「3人で行くことにする」なんて話しているし、これはどうしたものか〜

心の中では、
「一度でもいいからやってみたらいいだろうなぁ。もう35歳だしなぁ」
という事は思っていたが、今を逃すとチャンスはないだろうと、気持ちが揺らぎます。

元行修者と共に水ごり体験!

「無理してやることないよ」
と行修者をお世話している方が言いましたが、
「そうだろうけど、こんなチャンスそうないだろうしなぁ。同じ仲間のカメラマンも帰ってしまってし、誰も見てないだろうし今年年男だしやってみるか!」
と決断。
 
パンツ1丁になり、出囃子に乗せられ「いくぞぉ!」の掛け声で、本殿から草蛙を履き本殿から階段を降りて、水ごおり会場へ向かう。階段途中で、ふと寒さを感じた。責任者であり行修者であった紺井さんの話によると、寒くて震えているのではなく、筋肉が硬直しているからだということだから、力を抜けよと掛けてもらう。この寒さ、力がどうしても入りどうしてもブルブルと感じ寒さだと傍観者は思うだろうけど、緊張と力が入りブルブルとしてしまうのだろう。

そんなこんなで、水ごおり会場入り一人が水ごおりをしている間もブルブルが止まらない。力が入っているだと自覚するが体はそうではない。一人が終わり、私の番である。見よう見まねで座り「行くぞ!」の掛け声で、水が体を走る。これ以外と寒くないし、階段から降りてきた寒さに比べれば辛くない。
私の水ごおりが終わり、今度は水を掛ける番である。「行くぞ!」で数杯桶の水が相手の背中に舞う。いつも撮る側にいたが、見る方向は観客側である。こんな感じかとも思われた。無事に水ごおり終了。会場を降り、階段をゆっくりと登る。この時もブルブルがした、どうも力が入るからだろう。2周目をするらしく、2周目は遠慮した。

本殿に入り、神殿で拝礼をする。2礼2拍手1礼で拝礼し、終了となった。いやはや行修者の気持ち、どこが辛いかがわかった。とてもいい経験をさせてもらった。一応清めた体のまま、今日のみそぎをまた撮影しようと思う。
写真は、山の神が撮ったくれた私の水ごおり風景。

※追記(2016年)
1周しか水ごりは行わず拝殿に入り、身体を温めましたが、ブルブルと震えてしまいます。行修者は、この「ブルブル」しないことが第一条件です。と言っても、冬の最中の水ごりで「震えるな」というのが無理があります。そのために、沢山水ごりをして馴らして行くと言うのが「修業」ということになります。


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