北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

【北海道の祭りと神楽】松前町・清部八幡神社「門祓いと神楽奉納」(平成30年)

2018年1月1日(月)に取材

恒例の行事ではありますが、飽きずに通い続けております。「元日から神社で神楽を見られる」ということから、毎年拝見させてもらっております。
北斗市から車で2時間ほど先の松前町清部地区にある、清部八幡神社の門祓い神事と松前神楽奉納を拝見しに来ました。
 
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門祓神事

まずは、門祓いから拝見します。
門祓いとは、神社の行列と同じくして、先頭の4人がこの地域の玄関先を祓い清めて歩く神事です。塩打ち、御幣二本、獅子と、玄関先を祓い清めます。


塩打ち
 

御幣1を振る


御幣2を振る
 
そして最後に獅子を担いで、獅子の口を開き、尾っぽを振り回し終わります。


獅子
 
清部地区を隈なく祓い清めて歩きます。このコースは、渡御祭のコースと同じですが、この地域では神輿が渡御したということはしばらく行われていないと思います。担い手が少なく、以前取材した時は、お祭りには神事と神楽奉納のみということでした。
それ以降、その話は聞いたことがありません。
 

清部八幡神社・松前神楽奉納

正月に、門祓い終了後に行われます。今年行われた神楽舞は、福田舞、兵法舞、山神舞、三番叟、神遊舞、四箇散米舞、十二の手獅子舞・五方、面足獅子の七座が行われました。

福田舞(ふくだまい)

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。

兵法舞(へいほうまい)

兵法舞(へいほうまい)は、松前藩の天下泰平を祈願する舞いで、最後に勝利した武人が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞い祝います。北海道の歴史を表現した舞いです。
 

 

山神舞(さんじんまい)

山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。


 

三番叟(さんばそう)

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。

神遊舞(かんあそびまい)

神遊舞(かんあそびまい)、天王遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。


 

四箇散米舞(しかさごまい)

四箇散米舞(しかさごまい)、三品舞、三種舞とも云います。この舞はお目出度い時、新鳥居や新社務所が建てた等のその神社で、お目出度い時に行われる舞いです。これは、南北海道だけの風習であるので、道南で見られるのは貴重であります。最初が、折敷の手(四角のマスのようなものを持つ)で、次は、弓、剣、太刀つ続き、最後は3人で太刀を組んで行われる舞いです。


 

十二の手獅子舞・五方〜面足獅子(じゅうにのてししまい・ごほう〜もたりしし)

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
 
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。

松前町・清部八幡神社「門祓いと神楽奉納」・まとめ

元旦に神楽を見られるというだけで、10年以上も通い続けて参りました。今年も松前神楽を見て行こうと思います。
今年中に国指定になれればいいかな?と感じつつ、ただただひたすら待ちます。

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