北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

【北海道の祭り】平取町・第48回チプサンケ本祭(平成29年)

2017年8月20日(日)に取材

昨日の結婚式から、本日がチプサンケ当日です。「チプサンケ」とは、どういうイベント何だろうとチラシをみると、

アイヌ語で「舟おろし」の意味する「チプサンケ」は古来から伝わる技法で作られた舟に魂を入れるための進水の儀式である。当日は、カムイノミ(神に祈る儀式)の後、「チプ(丸木舟)」に乗り込み、平取町を流れる沙流川約800mの川下りを体験できる。

とあり、アイヌ民族の文化に触れられる機会であることであります。昨日同様に、道南ではあまり見られないアイヌ文化を見ようと思います。

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チプサンケ本祭

チプサンケ前夜祭から、大変来場者も多く、午前から様々のイベントが行われております。主に行われている行事は下記の通り。

・縁結び石祭り
・ユカラと語りべ
・木彫り体験
・チプサンケ
・カムイノミ(祭礼儀式)
・古式舞踊

午前中は、縁結び石祭りが行われております。木彫り体験も行われているようで、そちらは午後にかけて行われているようなので縁結び石祭りから見に行こうと思います。

この縁結び石とは、

二つの石のうち、一つは1975年に日高山脈から流れる沙流川で見つかり、もう一つは翌年にここから10km程離れたこの川の上流で発見されました。この二つの石、発見された時期も場所も異なるのですが、よくよく見てみると石の割れた面の形が似ていたのです。そして、その石をくっつけてみると不思議なことに割れた面がピッタリと重なり合ったのです。それ以降、この石は『縁結びの石』と呼ばれていて、この石に触れると素敵な出会いを引き寄せるものだと言われています。

アイヌの祭礼に基づき、この縁結び石に祈りを捧げます。多くの方の参拝された後に、一般の方も参拝を行なってくださいとのこと、特に縁結びの石ということもあり、独身の方は良い縁に巡り会うようにと参拝されていたようです。この祭礼が終わると、会場が変わります。

カムイノミ(祭礼儀式)

こちらの方が私には大事な行事です。チプサンケは進水の儀式なので、これから乗る舟を祓い清めます。

こちらは、イナウというアイヌの祭具のひとつで、 カムイ(神様)や先祖と人間の間を取り持つもの(贈り物・メッセンジャー・神霊の依り代)とされています。 強いて言えば神道における御幣に相当するが、それよりも供物としての性格が強いとみています。

チセの中で儀式が行われて、次はこのイナウの先に酒をイクパスイ(捧酒箸)を使用してつけていきます。
このイナウの頭に酒をつけていきます。

最後に終わると、一口自分でもいただきます。

このような儀式が執り行われました。儀式が終わると、この舟を川に運び、川下りが行われます。
このイベントに、大勢の人がいらっしゃっていましたので、木工体験でアイヌ文様のコースター作りを体験したりして、アイヌ古式舞踊を見ようと思いました。このイベントのメインである、「川下り」は行きませんでした。

チプサンケ「アイヌ古式舞踊」披露

アイヌ古式舞踊は、平取町のアイヌ協会をはじめとした他の団体からも行われるので、いろいろと見ていると面白いと思います。
微妙に舞いも言い回しも違ったりしているようですが、土地が変わればやり方も異なりますので、その地方特有の文化ということだと感じております。


鶴の舞


ハララキ(湿原で遊ぶ鶴の舞)


チャッピーヤク(雨ツバメの舞)


クリムセ(弓の舞)


エムシリムセ(剣の舞)

アイヌ古式舞踊を見る回数は少ないですが、これらの古式舞踊を維持継続していくにも、大変な苦労をしていると思われます。
これからもどれだけ回数を見ることができるかわかりませんが、見続けていきたいと思います。

まとめ

内容の多いイベントですが、流れを把握することができました。次回は川下りにも参加して見たいと感じております。木工体験で、作ったアイヌ文様のコースターは記念になりました。また来年もチャレンジしてみたいと感じました。2日に渡り、平取町にたくさんの人がこのアイヌ文化に触れられる「チプサンケ」にいらしております。道南にはあまり触れることの出来ないアイヌ文化をイベントを通じて知ることは大事なことだなと感じます。

★アイヌ文化にはまだ知識もなく、基本的ことも知りませんので、書いたことにもわからないことも多いことがありますので、もし知っている方でご指摘があればお教え願いたいと思います。

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