北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

【北海道の祭りと神楽】松前町・松前神社本祭での松前神楽(平成20年)

昨年も取材した松前神社を訪れました。

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松前神社は、松前公園内にある神社で、ここの祭神は、松前氏の祖・武田信廣公(たけだのぶひろこう)であります。松前神楽という名前ではない神楽が、松前藩初期の時代にも神楽は行われていたらしいのですが、当時は、東北地方の「山伏神楽」の修験者が蝦夷地で市修行を行い、松前周辺ではいろいろ様々な神楽が行われていたようです。

【松前神社】松前神楽について

恒例行事として行われたのは延宝二年(1674年)からであり、隔年ごとに城内神楽として城下にある7社の神社の神主らが集まり、行われた神楽であると記録されています。
「松前神楽」という名称が使われだした記録は、文化3年(1806年)の城下7社のうち西舘の稲荷神社、佐々木一貫(かずつら)の記したものがあり、それ以前は、「お城神楽」とか祈祷を目的とされる名称がついた名前で呼ばれていたと思われます。

【松前神社本祭】松前神楽・鎮釜湯立式

今回の松前神楽は、榊舞・神遊舞・翁舞・荒馬舞・注連払舞・獅子舞が行われた。
鎮火祭として神社や周辺の祈願として行われてきたのは、この鎮釜湯立の神事であります。
占いのためと思っていたが、火災にならない為の神事だということでした。


鎮釜湯立式

【松前神社本祭】松前神楽・榊舞


榊舞

【松前神社本祭】松前神楽・神遊舞

神遊舞は、第5代藩主・矩広公の作と伝えられている武士らしい舞であり、2人舞いで四方の悪魔退散させ、正しい心に返す意の舞で、松前藩の威徳鵜を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞である。秘曲とされている「兵法舞」は、まさにアイヌ平定を表した舞いだったが、神遊舞もそう見ればアイヌ平定の歴史が見え隠れする舞であると思えてしまった。

神遊舞

【松前神社本祭】松前神楽・翁舞


翁舞

【松前神社本祭】松前神楽・荒馬舞

久々にいい感じの荒馬舞の写真が撮れたような気がする。荒馬の走る様が表現できた。

荒馬舞

【松前神社本祭】松前神楽・注連祓舞

いつも見ている方が、この注連払舞をやるのかな?と思っていたが、今回は若手の方がこの舞をした。若々しい迫力のある注連祓舞だった。

注連払舞

【松前神社本祭】松前神楽・十二の手獅子舞・五方

最後は獅子舞である。ここでは佐々良(猿田彦が登場する舞い)が本祭では行われていないが、宵宮祭で行われているのかもしれないか、佐々良は行わないのかはわからなかったです。昨夜の宵宮祭は姥神大神宮の宵宮祭に行っていたのでわかる方がいれば教えてもらいたいと思います。

獅子舞

【松前神社本祭】まとめ

関係者に直会にもよばれてしまい、恐縮だった。社務所には、松前城前で行われた松前神楽の写真が目に入りました。昨夜の宵宮祭では、神社前でしかもかがり火での中で行われたらしいとのことでした。雰囲気はすばらしいし、いい事だなと思われます。個人的にはもう一ひねり欲しいのであります。真昼に行う松前城を背景で行われる松前神楽をこの目で見たいと思いました。歴史的に見てもお城を背景に、「城内で神楽が行われていた」という本来の歴史的なイメージも伝わると思うのだが。それができるのはこの松前神社だけだと思うし、上手く行けば観光にもつながると思う。試みて欲しいと感じます。
 
このブログを見ている神社関係者が多いことがわかりましたので、こういう提案もして行きたいと思っていました。郷土芸能を数年取材してきて、ただ外でやるのは見ている方も何も感じないということがわかり、印象にも残らないと感じていました。雰囲気のある見せ方をもっと工夫すれば、観光客も周辺の人も見に来てもらえて、もう一度見たいと感じるもらえると思います。
直会から帰る際に、4人程の観光客が神社前に来ていて、賽銭箱を探していました。横にある事を教えてあげると、「今日は何かあるのですか?」と聞いてきました。「今日はお祭りの日で、先ほどまでこの周辺で行われるお神楽をやっていたのですよ」と言うと、見たかったと残念そうに言っていました。その方々は、横浜から来た方々でした。地方の人でも興味があるということだろうと思います。
 
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第四回「祭りと神楽」写真展
 

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