平成25年7月7日(日)に取材しました。
今年も鹿部稲荷神社の例祭を取材させてもらいました。ここでは、4つある松前神楽保存会のうちの松前ブロック連合保存会の松前神楽を堪能出来るのは、鹿部町がその一つなのです。
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宵宮祭における松前神楽
宵宮祭とは、本祭を迎える為の前夜祭という意味があるようで、一番大事なのは祭事は「本祭」ということなのです。宵宮祭でも同じ神事が行われます。道南地方や松前神楽が行われている神社では、神事終了後した後に「松前神楽」の舞楽が披露されております。
松前神楽も座数(演目数)も、本祭に比べれば少ないのです。でも宵宮祭にしか舞われない舞楽もあるので、全てを見たい方は宵宮祭・本祭を見る事をお勧めします。宵宮祭、本祭共に行われる神楽舞は、榊舞、獅子舞(五方)くらいだと考えられます。
松前神楽を見学するには、神社に参拝し、本殿に上がり神事から参加することをお勧めします。神事の中にも松前神楽の楽曲が行われる所もあり、道南の文化を感じてもらう機会になります。神事は約1時間くらいには終了します。本祭には、神事終了後に「鎮釜湯立式」が行われます。これも松前神楽なので、そこで行われる楽曲なんかもその時にしか行われない物もあります。鎮釜湯立式は本祭にもう一度ご説明しようと思います。
松前神楽「神楽始」から
宵宮祭の舞楽に入る前に、「神楽始(かぐらそめ)」が行われます。神楽始(かぐらそめ)、神楽初とも書きます。
松前神楽に入る前に行われる、楽(笛・太鼓・手拍子)と神歌を神前(正面にて太鼓、笛、手拍子3人)にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。
神楽始(かぐらそめ)から行う神社も少ないようにも感じられます。本当は、神楽始(かぐらそめ)から始まり、行われる松前神楽も例祭の時間短縮により、座数をカットしてしてて短縮されてきて、近年行われない神社も多いようにも感じられます。
松前神楽「榊舞」
舞楽は、榊舞(さかきまい)、福田舞(ふくだまい)、鈴上舞(すずあげまい)、利生舞(りしょうまい)、十二の手獅子舞五方の手(じゅうにのてししまいごほうのて)の五座が行われました。
幣帛舞(へいはくまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)、御幣舞(みてぐらまい)とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
松前神楽「福田舞」
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
松前神楽「鈴上」
鈴上(すずあげ)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。
鈴と扇を持ち、松前神楽の中で最も優雅な舞いです。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。
松前神楽「利生舞」
利生舞(りしょうまい)は、神々に初穂を献じ、 鎮魂を祈るため、 烏帽子、 狩衣、 扇、 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞(にわさごまい)の省略した舞いであると云われていまして、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いです。
松前神楽「十二の手獅子舞・五方」
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
鹿部稲荷神社宵宮祭(平成25年) まとめ
松前神楽を行うには、神職が集まらなければ数が出来ません。それだけ経費もかかるようで、祭りの維持するにも大変な時代になって来ました。寄付の負担も多く、人口が減りゆく時代になり、文化の維持継続が厳しいです。あらためて身近にある「松前神楽」に触れて、まずは知っていただきたいと感じます。神楽の楽しさを体感して、例祭に参拝して地元を知るきっかけにして欲しいと感じております。
鹿部稲荷神社では、次の日(7月8日)は渡御祭で、鹿部町の神輿渡御が行われます。丸1日かけての渡御祭です。鹿部町の大きさを感じることになります。そして、本祭は7月9日に執り行います。この時に多く「松前神楽」が行われます。
次は、渡御祭ではなく本祭の様子を取材します。