北海道の祭り、郷土芸能・文化、風習、伝説などを巡礼日誌です。松前神楽の取材も継続していきます。

良き候北加伊道

【北海道今金町の祭り】今金町・今金八幡神社渡御祭・本祭(平成22年)

2年前に取材しましたが、急遽今金町の今金八幡神社に行くことにしました。太鼓合戦で有名なお祭りが行われる、今金八幡神社の例祭であります。宮司さんには、姥神大神宮で助勤されていまして、幾度かご挨拶させてもらいました。

宵宮祭は前日の19日ですが、昨日の宵宮祭は、鹿部町・本別稲荷神社の宵宮祭の方に行っていました。本日は、渡御と本祭が行われて、松前神楽も奏上するということで渡御と神楽を見せてもらいました。

渡御スタートの時間には間に合わず、途中からの取材になりました。
 
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【今金八幡神社】渡御行列


行列の先頭

この時、1本下駄で渡御しておりました。


猿田彦
 

神職
 
神社行列に付きものの、獅子であります。獅子に頭を噛んでもらう人も絶えません。
獅子に頭を噛まれて大泣きする子供を見ても、なんか微笑ましい光景は祭りならではです。


獅子

渡御の中の神楽奏上と踊り山車

更に行列は続きます。午後からの渡御で、町の中心街で行われる松前神楽であります。
この場で行われた神楽舞いは、福田舞です。
福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いであります。

福田舞
 
福田舞が終わると、神社行列は次の場所に向い、松前神楽が行われます。その後に、山車の踊りがありました。幼稚園の子が、芸子の姿で可愛らしく踊りを披露しておりました。


踊り山車
 
神社行列は、待ってくれません。踊りの最中でありましたが、次の会場に移動しなければなりません。もう神楽が披露されているかもしれません。
午後から楽人に加わった、せたな町松前神楽保存会による荒馬舞の奏上であります。
荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪くこれを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。

荒馬舞
 
後は、神社前の大鳥居前にて1座行われるようで、途中に山車を見に行きました。山車は3台出ていたらしく、各山車は、コースが決まっていて神社行列の後ろをまわる通常の仕組みではないらしいので、動きが掴めなかったので、近くにいる山車を撮影しました。


太鼓山車
 
神社前にて、せたな町松前神楽保存会による、十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)が行われました。
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。


十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

渡御行列が拝殿に戻る

最後に拝殿の階段を登り、終了になります。先頭の猿田彦他、神輿以外の行列が登ります。
神輿は一気に登るので、会談前に待機しています。


猿田彦が階段を登ってくる
 
神輿が、宮司と共に階段を登ってきます。


上2枚 神輿が階段を登る
 
無事に神輿も上がり、最後の1本締めが行われました。


宮司ともに1本締めが行われる
 

【今金八幡神社】本祭と松前神楽

御霊を戻し、1時間後に本祭が行われました。
本祭に行われた神楽舞いは、神遊舞(かんあそびまい)、注連祓舞(しまはらいまい)の2座が行われました。
神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。

二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
今回は、せたな町・事比羅神社の宮司と娘さんとの親子の競演の神遊舞(かんあそびまい)であります。


神遊舞(かんあそびまい)
 
注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いであります。


注連祓舞(しめはらいまい)
 
天候にも恵まれ、連休も重なり、お祭りにはもってこいの環境でありました。
太鼓合戦までは、見ないで帰り、明日の鹿部町の本別稲荷神社の本祭に備えます。
正直連日の取材で疲れております。
 
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