檜山地方の郷土芸能

厚沢部町 美和八幡神社 本祭 神楽と目名権現獅子舞

昨夜から引き続き、厚沢部町美和地区での「目名権現獅子舞」を取材する。
今日は、門払いからの取材であり、午前10時からの出発であった。行列の曲は、目名権現獅子舞の笛、太鼓で門払いが進行する。神社行列の笛、太鼓ではないのだ。
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神社から行列が出発する
行列から、白狐が行列に加わり、美和地区を練り歩いた。
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獅子舞が2頭出ているが、黒い獅子頭は、権現獅子舞の獅子頭、もう1つの赤い獅子頭は、姥神大神宮の獅子頭である。
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門払いが終わると、本祭が行われた。今日は、神社側の参加者が少ないので、神楽舞はないだろうと思っていたが、獅子舞だけ行われた。
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上2枚・獅子舞
獅子舞が終わり本祭が終了となり、その後は、この「目名権現獅子舞」が行われた。
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白狐が登場した。しかも親子で登場した。2匹で獅子をからかいう様を見せてくれた。
獅子をからかう様というのは、松前神楽でも「面足四肢(もたりしし)又は、佐々良(ささら)」で、猿田彦が登場して獅子をからかう様を見る。
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獅子をからかう白狐
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権現神楽歌として、舞いの中に歌が入るところがあり、その歌詞は、
天の岩戸を 押し開き
いざや神楽を 参らせる
神を鎮めて 伊勢踊り
宮山鵲(みやさんじゃく)の 御幣(ごへい)持て
悪魔を払うて それからさ
大川楽(たいせんらく)に あらたまる

とある。この解読も行われ、世の中を平和であるようにした意味であるようである。
歌の中にある、「宮山鵲(みやさんじゃく)」とは、尾の長い鶏であると聞いた。松前神楽でいう「二羽散米舞(にわさごまい)」に出てくる鶏は、天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされているので、通じるものを感じられた。
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獅子舞の動きに会わせて、笛が誘導するというスタイルで行われているらしい。獅子を操る人も笛を聞いて次の動きに入るのだそうだ。門払いでも、出発の楽と戻りの楽があるらしく、戻りは今回できなかったようだ。笛吹きがまだ戻りの笛を覚えていないようだ。神楽が終わり、少しだけその戻りの笛を披露してくれた。
今回、このようにこの「目名権現獅子舞」のことを教えてくれた、長尾さん(上の写真右)には詳しくお話できて感謝である。
伝統を継続するということの大切さを感じた取材であった。

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