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渡島地方の松前神楽

鹿部町 鹿部稲荷神社本祭で見る松前神楽

投稿日:2019年2月27日 更新日:

2018年7月9日に取材

毎年、松前神楽を拝見させてもらっているところです。
今年は国の重要無形民俗文化財に指定された「松前神楽」です。神楽の知識を教えていただいたのが、この神社の宮司さんです。とても楽しく、舞手の気持ちを感じさせてもらいました。

今年も写真と動画を撮影させてもらいまして、Youtubeにて配信しております。

動画を入れた構成にしようと思います。よろしくお願いします。

祭式

まず本祭に執り行われる祭式の項目ですが、下記のように執り行われます。

・開式の辞
・修祓(しゅばつ)ー 神職が神前に於て祓詞(はらいことば)を奏上し、大麻(おおぬさ)ですべてを祓い清める。
・開扉(かいひ)ー 御扉を開けます。
・献饌(けんせん)ー 神前にお供え物をする儀式。
・祝詞奏上(のりとそうじょう)ー 神職が神前に祝詞を奏上する。
・斎主玉串拝礼(さいしゅたまぐしはいれい)ー そこの宮司が務めてその斎主が神前に進んで玉串を奉りて拝礼します。
・玉串奉奠(たまぐしほうてん)ー 玉串は、この1年を祈ってその心を神に捧げるものです。
・松前神楽奏上 ー 鎮釜湯立式を行う所は、湯立神事を行い、その後に舞学を行います。
・撤饌(てっせん)ー お供え物を下げる儀式
・閉扉(へいひ)ー 御扉を閉めます。
・閉式の辞

何気に見ておりますが、このように流れて行きます。松前神楽は、祭式の最後に行われるというのが定番です。
鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)から入る所と、神楽舞に入ってしまう神社と2通りがあります。

松前神楽 鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)

松前神楽三十三座のうち、十二座がこの鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)です。

鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)とは、鎮火祭という火を鎮める神事です。釜でお湯を焚きホムスビノ神とミズハノメノ神をお祭りし、火(霊)を祓い清め、釜に向かい神歌を奏で鎮釜・鎮火を行います。また、湯笹で四方を拝し祓い清め除災招福を修します。この笹湯は祓われて外症状を治し、飲んで内症状を良くすると言われております。また、作物・漁獲量の吉凶を占う神事であります。

松前神楽 神楽舞

鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)が終わると、神楽舞に移ります。江戸時代、城内神楽として行われていた当時は、祭式と神楽がまぜて行われておりました。鎮釜湯立式(ちんかまゆたてしき)の最中に神楽舞が行われており、それが松前神楽の流れであったと思われます。
現在のように行われたのは、廃藩置県以後の明治・大正時代と思われます。

松前神楽神楽舞 榊舞(さかきまい)

まず最初に行われるのは、「榊舞(さかきまい)」です。

幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。

松前神楽神楽舞 鈴上舞(すずあげまい)

鈴上舞(すずあげまい)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。

松前神楽神楽舞 二羽散米舞(にわさごまい)

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。

松前神楽神楽舞 翁舞(おきなまい)

翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。

松前神楽神楽舞 三番叟舞(さんばそうまい)

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。

松前神楽神楽舞 山神舞(さんじんまい)

山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。

松前神楽神楽舞 神遊舞(かんあそびまい)

神遊舞(かんあそびまい)、天王遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。

松前神楽神楽舞 荒馬舞(あらうままい)

荒馬舞(あらうままい)、松前遊(まつまえあそび)、正前遊舞(しょうぜんあそびまい)とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪く、これを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。

松前神楽神楽舞 七五三祓舞(しめはらいまい)

七五三祓舞(しめはらいまい)、注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。


 

松前神楽神楽舞 十二の手獅子舞(じゅうにのてししまい)五方・面足獅子

十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。


 
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。
 

 

まとめ

動画で見る神楽もいいと思いますが、神楽は体で感じるものと思います。実際に神社に行き、参拝して本祭の祭式から入り、神楽舞を見て祭りを見たということになると思います。
今年は国の重要無形民俗文化財に指定されました。これからの動きも見つつ、あたたかく神楽を見て行こうと思います。

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