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北斗市内の松前神楽 松前神楽函館連合保存会

平成28年 北斗市・上磯八幡宮本祭

更新日:

2016年10月5日に取材

毎年ではありませんが、訪問させてもらっている上磯八幡宮です。宵宮祭にはお邪魔できませんでしたので、本祭に訪問させてもらいました。ここでの神楽も何度も見ており、「渡島風(函館風)」の松前神楽を行うところです。
数年前に十数年振りに渡御が行われましたが、しばらくはないかもしれませんね。松前神楽は、通常通りに行われていました。

松前神楽・鎮釜湯立式から

松前神楽は、通常の神事の後に行われます。祭式に合わせて行われてゆくのが松前神楽の特徴でもあります。
まずは、「釜清め(かまきよめ)」から。

鎮釜湯立式とは、鎮火祭という火を鎮める神事です。釜でお湯を焚きホムスビノ神とミズハノメノ神をお祭りし、火(霊)を祓い清め、釜に向かい神歌を奏で鎮釜・鎮火を行います。また、湯笹で四方を拝し祓い清め除災招福を修します。この笹湯は祓われて外症状を治し、飲んで内症状を良くすると言われております。また、作物・漁獲量の吉凶を占う神事であり、松前神楽三十三座の中に十二座入っている神事です。

上磯八幡宮 鎮釜湯立式 松前神楽
鎮釜湯立式・釜清め(かまきよめ)

上磯八幡宮 鎮釜湯立式 松前神楽 祝詞
鎮釜湯立式・祝詞

上磯八幡宮 鎮釜湯立式 松前神楽
鎮釜湯立式・釜揚げ

松前神楽・舞楽 榊舞から

ここから舞楽九座行われました。行われた舞楽は、榊舞、鈴上舞、千歳、二羽散米舞、三番叟、翁舞、神遊舞、〆引き、十二の手獅子舞が行われました。
 
まずは、榊舞(さかきまい)です。
榊舞(さかきまい)、幣帛舞(みてくらまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 榊舞
榊舞(さかきまい)
 
鈴上げ(すずあげ)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 鈴上舞
鈴上げ(すずあげ)
 
千歳(せんざい)は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 千歳
千歳(せんざい)
 
二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 二羽散米舞
二羽散米舞(にわさごまい)
 
三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 三番叟舞
三番叟(さんばそう)
 
翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 翁舞
翁舞(おきなまい)
 
神遊舞(かんあそびまい)、天王遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
上磯八幡宮 松前神楽 神遊舞
神遊舞(かんあそびまい)
 
〆引(しめひき)、注連祓舞(しめはらいまい)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。
上磯八幡宮 松前神楽 〆引き 注連祓舞
〆引(しめひき)
 
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
上磯八幡宮 松前神楽 十二の手獅子舞 五方
十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)
 
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。
上磯八幡宮 松前神楽 十二の手獅子舞 面足獅子 佐々良
十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)
 
神楽が終了し、直会に入ります。その前に氏子さんから声がかかり、珍しい物が奉納されたということで、拝見させてもらいました。さつまいもなんですが、とぐろを巻いていてヘビのようになっていました。ここの氏子さんが奉納したようです。
上磯八幡宮 奉納品

上磯八幡宮 奉納品
 
上磯八幡宮は、渡島式の松前神楽を行う神社です。この渡島式を考案した小島家がここの宮司さんであります。おじいさまに当たる方です。実に松前式をここまで、舞楽はもちろんのこと楽(笛、太鼓)も雅風にしたと思います。
松前神楽を見る上でも、このような楽しみ方を持って見ると、より一層神楽が見えて来ますよ。

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