函館市内の松前神楽 松前神楽松前ブロック連合保存会 渡島地方の松前神楽

平成28年 函館市・尻岸内八幡神社鎮座四百年祭 直会祭

渡御祭が2日に渡り行われ、最終日に行われるのが直会祭です。松前神楽は、渡御祭の御旅所で数カ所で行われます。そちらは、昨年の渡御祭で取材しております。
今年は、宵宮祭と直会祭だけ取材させてもらいました。

松前神楽 鎮釜湯立式

神事が終わると、松前神楽に入ります。鎮釜湯立神事に入ります。
鎮釜湯立式とは、鎮火祭という火を鎮める神事であります。釜でお湯を焚きホムスビノ神とミズハノメノ神をお祭りし、火(霊)を祓い清め、釜に向かい神歌を奏で鎮釜・鎮火を行います。また、湯笹で四方を拝し祓い清め除災招福を修します。この笹湯は祓われて外症状を治し、飲んで内症状を良くすると言われております。また、作物・漁獲量の吉凶を占う神事であり、松前神楽三十三座の中に十二座入っている神事です。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 鎮釜湯立式 鎮釜湯立式

松前神楽 神楽舞奉納十一座

行われた神楽舞いは、榊舞、鈴上舞、福田舞、山神舞、四箇散米舞、三番叟、翁舞、二羽散米舞、神遊舞、注連祓舞、十二の手獅子舞・御稜威舞・五方・面足獅子の十一座行われました。

幣帛舞(みてくらまい)、榊舞(さかきまい)、祝詞舞(のりとまい)とも云います。その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いです。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主(その神社の宮司)が最初に舞われる舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 榊舞榊舞
 
鈴上げ(すずあげ)、神子舞(みこまい)、乙女舞(おとめまい)とも云います。天女の天降るさまを舞う神子(みこ)の祝福の舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 鈴上舞鈴上舞
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 鈴上舞鈴上舞

福田舞(ふくだまい)、跡祓舞(あとはらいまい)とも云います。跡祓舞(あとはらいまい)は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓(あとはらい)とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 福田舞福田舞

山神(さんじん)舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 山神舞山神舞
 
四箇散米舞(しかさごまい)、三品舞、三種舞とも云います。この舞はお目出度い時、新鳥居や新社務所が建てた等のその神社で、お目出度い時に行われる舞いです。これは南北海道だけの風習で、見られるのは貴重であります。最初が、折敷の手(四角のマスのようなものを持つ)で、次は、弓、剣、太刀つ続き、最後は3人で太刀を組んで行われる舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 四箇散米舞四箇散米舞

三番叟(さんばそう)は、背が低く、顔が黒く、精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 三番叟三番叟

翁舞(おきなまい)は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 翁舞翁舞

二羽散米舞(にわさごまい)、庭散米とも書き、鳥名子舞(とりなごまい)とも云います。鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 二羽散米舞二羽散米舞

神遊舞(かんあそびまい)、天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞です。この舞は、松前藩主6代矩広(のりひろ)公の作品だと伝えられています。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 神遊舞神遊舞
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 神遊舞神遊舞

注連祓舞(しめはらいまい)、〆引(しめひき)、七五三祓舞(しめはらいまい)とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 注連祓舞注連祓舞

十二の手獅子舞・御稜威舞(じゅうにのてししまい・みいつまい)、獅子の上(ししのじょう)とも云います。白扇と真剣を使用し、悪魔退散、天下泰平を表した舞いです。あまり行われることが少ない舞いです。見れた方は、ラッキーです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 十二の手獅子舞・御稜威舞十二の手獅子舞・御稜威舞

十二の手獅子舞五方(じゅうにのてししまいごほう)十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中(真ん中)を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 十二の手獅子舞五方十二の手獅子舞五方

十二の手獅子舞・面足獅子(じゅうにのてししまい・もたりしし)本来、御稜威舞、獅子の鈴上、五方と続き、コミカルな楽に変わると猿田彦が登場します。鎮まっていた獅子を手玉にとり、遊び戯れて平和な世の中を招く悪魔降伏ということです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 松前神楽 直会祭 十二の手獅子舞・面足獅子十二の手獅子舞・面足獅子

ここの尻岸内八幡神社では、神楽会があり一般の人、主に地元の子供達を対象に教えています。地元の施設やイベント等で、披露されることがあります。今年、頑張ってくれた子たちです。
平成28年 尻岸内八幡神社 鎮座400年祭 直会祭 子供達

地方再生がうたわれていますが、再生の材料は皆が参加して、地元を知るきっかけを知ることのできる「祭り」ではないかと思われます。地元の風習や伝統を見るということは、いままで後回しにしてきたことだと感じています。実は、これらが私たちに足りなかった教育だったと思われます。取材を通じて様々なことに気づかせてくれる「祭り」に、皆さんの参加を願いたいと思わずにいられないです。参加すれば、きっと何か感じると思います。

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