2013年10月26日に取材
平成25年度の松前神楽小樽ブロック保存会が毎年行っている合同公演会を拝見してきました。今年は京極町での開催となりました。
毎年小樽を中心とした後志方面と鬼鹿地区を加えたブロックによる、合同公演会を毎年行なっています。都合がついたので、京極町まで足を運んでみました。
毎年行っているのは素晴らしいですね。継続はチカラなり。
後志松前神楽会・寿都松前神楽保存会・鬼鹿松前神楽保存会・神恵内松前神楽保存会・松前神楽瀬棚保存会・小樽松前神楽保存会の六団体が、「松前神楽小樽ブロック保存会」として活動しております。
今年最後の松前神楽を堪能してきました。
ご挨拶
まずは、六団体全員の惣神拝から
惣神拝
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この公演会を見ると、思う事が
後志は、頑張っている
としみじみと思います。国指定に向けて頑張ってと言えば、後志方面なのです。
この件は、あらためて記事にしたいと思います。
さて、神楽初（かぐらそめ）から行なわれました。神楽初（かぐらそめ）、神楽始とも書きます。
松前神楽に入る前に行われる、楽（笛・太鼓・手拍子）と神歌を神前にて、これから松前神楽奏上することを知らせるプロローグのようなものです。
神楽初（かぐらそめ）
幣帛舞（みてくらまい）、榊舞（さかきまい）、祝詞舞（のりとまい）とも云います。
その神社の宮司が朝夕玉垣内に参進して、神域を祓い清め、神拝して御幣を奉るという、神職の神明奉仕の姿を表した舞いであります。函館と近郊の町で行われる際には、松前神楽奉納となる時、斎主（その神社の宮司）が最初に舞われる舞いです。
舞われる団体は、後志松前神楽保存会です。
後志松前神楽保存会 幣帛舞（みてくらまい）
福田舞（ふくだまい）、跡祓舞（あとはらいまい）とも云います。跡祓舞（あとはらいまい）は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓（あとはらい）とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
寿都松前神楽保存会 福田舞（ふくだまい）
鈴上げ（すずあげ）、神子舞（みこまい）、乙女舞（おとめまい）とも云います。
鈴と扇を持ち、松前神楽の中で最も優雅な舞いです。天女の天降るさまを舞う神子（みこ）の祝福の舞いです。
鬼鹿松前神楽保存会 鈴上舞（すずあげまい）
利生舞（りしょうまい）は、神々に初穂を献じ､ 鎮魂を祈るため､ 烏帽子､ 狩衣､ 扇､ 玉鈴を持ち行われる二人舞いです。二羽散米舞（にわさごまい）の省略した舞いであると云われていまして、主に宵宮祭でしか見ることができない舞いです。
神恵内松前神楽保存会 利生舞（りしょうまい）
千歳（せんざい）は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。
後志松前神楽会 千歳舞（せんざいまい）
翁舞（おきなまい）は、面白く背が高く心柔和な老翁が、額にしわがよっても身体堅固で幾星霜を経る間に、身分が高い位に登った姿で、舞中に願意を言葉に表し、息災延命、立身出世を祝って舞う福禄寿の備わった最も目出度い舞いです。松前神楽の中で、一番舞いが難しいと云われている舞いです。
小樽松前神楽保存会 翁舞（おきなまい）
山神（さんじん）舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものであります。山伏神楽系統の神楽の様子がみられます。
神恵内松前神楽保存会 山神舞（さんじまい）
神遊舞（かんあそびまい）、天皇遊舞（てんのうあそびまい）とも云います。
二人の武人が弓矢を持ち、四方の悪魔を退散し、正しい心に返す意味の舞で、松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定、天下泰平を祈願した舞であります。この舞は、松前藩主6代矩広（のりひろ）公の作品だと伝えられています。
小樽松前神楽保存会 神遊舞（かんあそびまい）
四箇散米舞（しかさごまい）、三品舞、三種舞とも云います。
この舞はお目出度い時、新鳥居や新社務所が建てた等のその神社で、お目出度い時に行われる舞いであります。これは、南北海道だけの風習であるので、道南で見られるのは貴重であります。
最初が、折敷の手（四角のマスのようなものを持つ）で、次は、弓、剣、太刀つ続き、最後は3人で太刀を組んで行われる舞いであります。
松前神楽瀬棚保存会 四箇散米舞（しかさごまい）
ここで休憩を挟み、さらに公演は続きます。
福田舞（ふくだまい）、跡祓舞（あとはらいまい）とも云います。跡祓舞（あとはらいまい）は、宵宮祭で獅子舞を行わない神社で、一番最後に行うことから跡祓（あとはらい）とも云います。四方の神々を拝し、祓い清めて干ばつ、暴水、火難の災いを除き、五穀豊穣を祈願する舞いです。
後志松前神楽会 福田舞（ふくだまい）
鈴上げ（すずあげ）、神子舞（みこまい）、乙女舞（おとめまい）とも云います。
鈴と扇を持ち、松前神楽の中で最も優雅な舞いです。天女の天降るさまを舞う神子（みこ）の祝福の舞いです。
神恵内松前神楽保存会 鈴上舞（すずあげまい）
二羽散米舞（にわさごまい）、庭散米とも書き、鳥名子舞（とりなごまい）とも云います。
鶏は天の岩戸開きに暗黒の世より光明の時を告げ、世の始まりに地を踏み固めた瑞鳥であるとされています。雌雄二羽の鳥形の冠を頭に冠し、羽根には雄は瑞雲つまり天を表し、雌は海の波を形どり地を表して、雌雄親しみ和合して、世の中が平和である様を表し、神の恵みの米をまき散らし、千五百秋の瑞穂の国の五穀豊穣を祝う舞いです。この舞いは、舞楽の系統を引いています。
寿都松前神楽保存会 二羽散米舞（にわさごまい）
荒馬舞（あらうままい）、松前遊（まつまえあそび）、正前遊舞（しょうぜんあそびまい）とも云います。城内神楽の神楽修行の際に、たまたま藩主の機嫌が悪くこれを直さんと考え馬が好きな藩主の為に、馬術の様子を即興的に創り演舞したところ大変喜び、機嫌を直したと云います。
寿都松前神楽保存会 荒馬舞（あらうままい）
山神（さんじん）舞は、奥山の榊葉を持ち山神を表し、海鳥のしぐさを真似て山神にご覧になってもらい、おなぐさめ申し上げるというものであります。山伏神楽系統の神楽の様子がみられます。
鬼鹿松前神楽保存会 山神（さんじん）舞
千歳（せんざい）は、百千歳の歳を重ねた老翁が、大君より長寿を祝福され、目出度い文箱を賜ったので、喜びの余り、手の舞い、足の踏むところ知らず舞い納めます。身体強健、寿命長久を祝した舞いです。
鬼鹿松前神楽保存会 千歳舞（せんざいまい）
三番叟舞（さんばそうまい）は、背が低く、顔が黒い精力絶倫にして健康長寿、正道徳行の翁が、才智多い子孫に恵まれ自身もまた長寿であることを喜び舞う、家門の隆昌、子孫の繁栄を祝福した舞いです。
後志松前神楽保存会 三番叟舞（さんばそうまい）
越後太々神楽・太平楽盆舞（えちごだいだいかぐら・たいへいらくぼんまい）
越後の国一の宮として古くから信仰を集め、新潟県唯一の大社として弥彦山に鎮座する彌彦神社には無形文化財である有名な太々神楽があります。
今も尚この太々神楽は各地に散在し、各地方の祭典にも寄与され、１つ１つの御神楽にも越後の国らしい独特の情緒を表しています。
小樽松前神楽保存会 太平楽盆舞（えちごだいだいかぐら・たいへいらくぼんまい）
兵法舞（へいほうまい）は、松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞いです。最後に勝利した藩主が、敵の武器であった長刀を取り歓喜して一人にて舞います。北海道の歴史を表現した舞いであります。
松前神楽瀬棚保存会 兵法舞（へいほうまい）
十二の手獅子舞・御稜威舞（じゅうにのてししまい・みいつまい）、獅子の上（ししのじょう）とも云います。白扇と真剣を使用し、悪魔退散、天下泰平を表した舞いであります。
後志松前神楽会 十二の手獅子舞・御稜威舞（じゅうにのてししまい・みいつまい）
十二の手獅子舞・五方（じゅうにのてししまい・ごほう）
十二回手が変わるというので、十二の手獅子舞と云われています。一年十二ヶ月を形どり、獅子幕も十二反使用するを本格とするのであると云われています。五方とは、東西南北と正中（真ん中）を祓い固め蝦夷鎮定、国土安穏を祈る様を表しています。
後志松前神楽保存会 十二の手獅子舞・五方（じゅうにのてししまい・ごほう）
コミカルな楽に変わり猿田彦が登場し、暴猛な大獣獅子を手玉にとって遊び戯れ、平和な世の中を招く悪魔降伏の舞いであります。本来、相撲とったりはしません。
後志松前神楽保存会 十二の手獅子舞・面足獅子（じゅうにのてししまい・もくたりしし）
注連祓舞（しめはらいまい）、〆引（しめひき）、七五三祓舞（しめはらいまい）とも云います。白扇を四方四隅中央を祓い、真剣を抜き天井に十文字の縄を張った注連縄を切り払い、悪魔退散、国土安穏、千秋万歳を祝して舞われる舞いで、その神社の斎主（その神社の宮司）が舞う舞いです。切り祓われた紙垂（しで）は安産、火難除のお守りとされています。
後志松前神楽保存会 注連祓舞（しめはらいまい）
最後の挨拶に、今回会場になった京極八幡神社の宮司よりご挨拶です。
ご挨拶
数年振りに、後志の松前神楽合同公演を見せてもらいました。今年最後の書き込みですが、来年からこのブログの記事について考えています。いままで取材した神社を取り上げてきました。基本的な考え方は、それでいいかもしれませんが、記事の書く方にも何か新鮮味を感じるようなブログにして行きたいと思います。写真を沢山公開してきましたが、多少減らして行きたいと思います。
来年から、国指定に向けての松前神楽の調査が始まるようです。どのようにするか定かではありませんが、今までの苦労した資料くらいは、目を通させてもらい、視点を変えた方向で行なっていただきたいと思われます。
